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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第416話 弟子たちと合宿修行する配信(Side:ジュール)

 ~~ジュール店 アオギ~~


 食堂には、色々な価値観の人間がいる。

 私のような他業種から入って来た人間もいるし、ラーメンが稼げると知った銭ゲバな料理人もいれば、まかない目当てな者もいたりと、十人十色である。

 当然ながら考え方も違うのだが、そんな考え方がバラバラな者達をまとめて1チームとして運営するのが店長――――ジュールさんの凄さなのである。


 明らかに考え方が違うメンバーの適性を見極め、配置し、運営する。

 その凄さを、私は嫌というほど見て来ているし、自分もいつかそうなりたいと思って頑張って来た。



「食堂は今から3週間、臨時休業に入りますアル」



 そんなジュールさんが、3週間もの間、店を閉じるという判断をした。

 一緒に店で働く従業員達に動揺が走る。私達の大会のために臨時休業という判断を下したんでしょうが、私はそんな事よりも店を開けて欲しいと、ジュールさんに頼み込んだ。


「大将! 私達は大丈夫です! 聞けば、向こうのワットの食堂は営業を続けると聞きました。ならば、うちも店を閉じずに開けるべきです!」


 長い間休業すれば、どれほどの影響が出るのか。それはこの場に居る全員が理解していた。

 だからこそ、大会のためとは言え、休業という判断に、私達従業員一同は揃って反対するのであった。


「しかし、ススリア代表が言っていたアル。『弟子を立派に育て上げる事こそ、店舗経営の極意である』と。ならば、私もその信念に従って、君達全員(・・)を育てるアルよ」


 と、ジュールさんはそう言うと、私、それと大会の補佐をしてくれる4人――――だけ(・・)ではなく(・・・・)、ここに居る従業員全員に声をかけた。




「大会に出場する5人は、本当に優れた腕を持っているアル。しかしながら、大会選手に選ばれなかったと言って、他の従業員(スタッフ)が物凄く劣っているという訳ではないネ。

 ――――今度の大会のテーマは、お肉料理。普段はラーメンなどの中華料理担当である私は、あまり得意ではないかもしれないアルヨ。けれども、1人では無理だとしても、皆で話し合えば新たな視点が見えて来るかもしれない。


 皆の力を貸して欲しい。皆で、このジュールの料理店の名を、大会で見せつけるアル!」




 ジュールの言葉に、私を始めとした従業員全員が感動していた。

 この人は、自分の未熟さを知っている。大会がラーメン対決でないからこそ、全員の力や知恵を借りたいと言っているのである。


「ドラスト商会の人に頼んで、私達全員が料理合宿できるほどの大型施設を、3週間借りれたネ。その場所を使って、料理合宿をしていこうアル」

「「「「はいっ!」」」」


 私だけではなく、全員が大将(ジュール)のために、勝利しようと張り切っていた。私は代表選手という立場ではあるが、一緒に出場していないだけで、私達の気持ちは一緒だ。




 こうして、私達はジュール代表に連れられて、料理合宿施設へと向かった。


 合宿施設では、ジュール代表が料理のイロハについて、教えてくれた。


「どんな物にも、基本(イロハ)というモノは存在するネ。

 料理には"焼く"、"炒める"、"煮る"、"蒸す"、"揚げる"など、様々な調理方法が存在し、選択した料理方法によって食感や味などが大きく変わって来る。


 お肉というのは、熱の温度やら、加熱した時間によって、物凄く食べやすくなったり、あるいは全然食べられないくらい硬くなったりもする。今回は一番ベーシックなお肉を用意してもらったので、どれくらいで一番美味しくなるのかを、身体で、感覚で(・・・)覚えてください」


 ジュール代表がまず教えてくれたのは、お肉の焼き加減の見極め方。常に、どんなお肉だろうとも最適に焼けるというのを、感覚として理解せよと、私達にそう告げたのであった。


「お肉は焼く以外にも、色々な調理方法がアルヨ。しかしながら、お肉の中には生では食べられないモノや、生で食べる事に抵抗がある人が居るアルヨ。神聖術の【解毒】を使えば、問題ないアルが、全員が覚えてる訳がないから、とりあえず焼くという方法で、対応しておくアル。

 そのためにも、焼き方をしっかり学んでおくネ。時間で見極めると、厚さやその日の天候などで、大きく差が出て来るアルから、このタイミングでひっくり返すなどの、感覚として見極めるネ。

 大会に出る以上は勝利を目指すのは大事アルが、そもそも私達は店舗経営者。生焼けにて、お客様が倒れる事の方が問題なので、そこだけはまず第一の前提条件としてクリアするアルヨ!」


 ジュール代表はそう言って、懇切丁寧に焼き加減を教えてくれる。私達はそのジュール代表の熱意に負けないように、僅か3日で全員が焼き加減の基礎をマスターする。特に、一緒に出場する代表選手のうちの1人が、物凄く飲み込みが速く、彼とのやりとりで全員のスキルアップに繋がった。

 その後も、肉の切り方、下ごしらえ、肉と相性が良い食材など、たった3週間とは思えないほどの濃厚な時間にて、私達は精鋭となった。


 ワットの店には悪いが、私達は絶対に負けないという強い精神の元、大会に挑むのであった。

ジュールのお店では、お肉中心の合宿をしています

切り方や焼き方、下ごしらえなどでお肉の味は全然変わってきますからね


ジュールはお肉そのもので勝負する予定ですね

さて、ワットの方はどうする予定ですかね(*^-^*)

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