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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第142話 ろくな解決方法が思いつかないんだが? 配信

 ----圧倒的な戦いであった。




 私とガンマちゃんは、サビキ王女とズワイ騎士団長の2人の間にどれだけの差があるのかを知るため、2人に戦ってもらう事にした。


「こんにちはであります、ススリア様。わたくし、騎士団長を勤めております、ズワイと申します。よろしくお願いします」


 そうやって丁寧にあいさつをしてくれたのは、ズワイ騎士団長。カニの魚人族にして、サビキ王女の対抗馬……いや、対抗魚でおなじみの騎士団長である。

 防御力が高いカニの甲羅で全身を覆っており、モデルと思うくらいに長い足を持つ、赤い顔のイケメン騎士団長である。


 イケメンというだけではなく、剣や槍などの扱いも上手い。武器の扱いが上手いというのは、身体の使い方も上手いという事である。

 とりあえず騎士団員の人達と何人か戦ってもらったんだけれども、ズワイ騎士団長は連戦連勝。騎士団員の方も弱いという訳ではないので、純粋にただただズワイ騎士団長が強いという事である。



 ----そして、サビキ王女は、そんなズワイ騎士団長よりも圧倒的に強い。



「まさか、これほどまでとは……」


 簡単に言うと、こんな感じだ。


『サビキ王女>>(越えられそうにない壁)>ズワイ騎士団長>>普通の団員達』


 騎士団員達は、頑張ればズワイ騎士団長を越えられる可能性はありそう。伸びしろは感じた。

 しかし、サビキ王女はズワイ騎士団長をもってしても、倒せそうにない。


 腕にある銃から放たれる大量の水流攻撃による、押し出し。

 素の身体能力も高く、腕を振る速さや、足さばきも軽やかだ。


 この王女様、多分王女様でなければ、既に一流の冒険者になっていただろう。

 それくらいの身体能力の高さを感じる。


「巨匠、視線の動きからして、彼女、簡単な戦法だったら真似されそうなのだ」

「それが一番、困るんだよな。倒す相手として」


 こちらが、何かしらの有効な戦い方を伝授したとして、サビキ王女はそれを戦闘中に理解して、覚えて、自分のモノにしている。

 まさしく、戦いの申し子と言えよう。


 ----うん、十分に分かった。サビキ王女、あんたは強い。強すぎる。


 こりゃ確かに、付け焼刃程度では何も対策なんて出来んわなぁ……。


「巨匠、これは断るという手もアリだと思うのだ。倒し方だって、思いついていないのでしょう?」

「……一応、1つだけなら」

「いや、あるんかい!!」


 思わず、ガンマちゃんにツッコまれてしまったが、実際に1つだけ、こんな強いサビキ王女を倒す方法はあるにはある。


「問題は、選定なんだよなぁ~」

「選定? ズワイ騎士団長では、ダメなのだ?」

逆よ(・・)()。彼は絶対に、頼めない。向いてなさすぎて」


 ズワイ騎士団長は強い。それは認める。

 十分な戦闘経験と、それに裏打ちされた技術を持ち、自分の何が悪かったのかを反省するという、およそ武人として満点の戦い方をしている。

 ----だからこそ(・・・・・)、彼には頼めない。


 騎士団員、それにメガロくんもダメだ。

 何を言っているか分からないかもしれないが、サビキ王女を倒すには、完全な(・・・)素人の(・・・)方が良い(・・・・)

 

 戦闘経験があまりなく、テッポウウオの魚人族にはない別の長所を持っている、そんな魚人族が必要だ。


「ガンマちゃん、ちょっと探そう」

「乗り気ですね、巨匠ってば……」


 乗り気……? いや、全然、ちっとも。

 ただ、あのサビキ王女の鼻を明かして、みんなを圧倒して、リイル王女に多大なる恩を与えることが出来れば、今後の取引に活かせると、そう思っただけの事である。


「てな訳で、ガンマちゃん。ちょっくら検索かけて欲しい」


 私はそう言って、リイル王女から渡された彼女の支持者リストを、彼女へと渡す。


「了解なのだ! キーワードをお願いしますなのだ!」


 うん、いつも色々と情報がすぐに流れていく、そんな映像の編集作業が得意なガンマちゃんの事だ。

 流れない、ただのリストの中から、条件にあった者を見つけ出すことなど、簡単な事だろう。



「キーワードその1、『騎士団所属』を排除」


「キーワードその2、短所の欄から、『戦闘が苦手』を重視」


「キーワードその3、年齢は、サビキ王女と同年代を重視」


「キーワードその4、『魚人族』。もしくは家が水産関係のお仕事など、水の中に長期潜っていられる方」



 私がそう言うと、ガンマちゃんはこう応える。


「巨匠……一応、該当なのが10人近く居たのだが……そんな使えなさそうな人ばかり集めて、どうする気なのだ?」


 よしっ、それくらい居れば、十分でしょう。

 10人くらいならば、自分でも見られるだろうと思い、1人1人確認していくことにした。


 ----アザラシ。

 ----アンモナイト。

 ----イルカ。

 ----クラゲ。

 ----クリオネ。

 ----ドジョウ。

 ----トンボ。

 ----ハゼ。

 ----ペンギン。

 ----ワニ。


 うん、ろくなのが居ないね。まぁ、あんな偏った条件じゃあ、こうなるのがしかたないと言えるけど。


「(アザラシやイルカ、ペンギンは分からなくもないけど……トンボ以外、全員魚人族という分類訳は納得がいかないような気がするんだけど)」


 アンモナイトやペンギン、ワニが魚人族扱いってどうなんだよ……。

 良く分かりませんね、本当に。

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