表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

137/459

第137話 ぐだぐだに終わった、ウミヅリ王国配信

(※)『さぁ、観光案内配信の続き! 続き!』『観光案内⇒プロレス⇒観光案内』『凄い流れだよな』『プロレスの続きに来れ来るとかヤバくね?』『続けるのもヤバくね?』


「はいっ、プロレス配信の続きで、海産の国ウミヅリ王国の観光案内配信を始めていきますね」


 どうも、プロレスという形でサメ系の魚人のメガロと戦った後、その流れで観光案内配信を始めてる『あるけみぃ』です。

 

 いやぁ、あのプロレスの配信の後に、いきなり観光案内配信を始めた私に、みんな驚いているようですね。正直、私も驚いてるけど。

 そもそも、プロレス配信自体、元々は予定すらしていなかった事。元の流れに戻すべく、観光案内配信に戻したのだけど----


「失敗したなぁ~。観光案内配信をする感じではなかったか」


(※)『配信中で言うなww』『まぁ、うっすらとこちらも分かってたし』『だなっ』『いっちゃんも、さっきから何も話せてないぞ?』


「……いや、あの後に観光案内は難しいぎょ」

「まぁ、『いっちゃん』さんの言う通りですね」


 ちなみに、先程のおかしな語尾は、『お魚ハート・いっちゃん』の配信内でのキャラ付けのようなモノだ。

 私が挨拶する際に『おはうおっち』というように、『いっちゃん』さんは語尾に「~ぎょ」とつける事で、みんなの受けを良くしているという訳である。


「そもそも、あのプロレスこそ、我がウミヅリ王国で一番案内しておきたかった代物、といっても過言ではないぎょ! 海産とプロレス、我が王国はその2つで成り立っているんだから」


(※)『すごい2つで、成り立ってるのか』『海は釣り、陸はプロレスといった所か』『どういう2つなんだか……』『まぁ、それで成り立っているのだから良しとしよう』『見どころはばっちりだったしな!』


「そもそも、プロレスは海竜リヴァイアサンに奉納する舞の一種だったと伝わってるぎょ。元々は海の中で行う神に捧げるモノを、陸上で見られるようにしたのがプロレスがこの国で流行った一因だとされてるぎょ」


 『お魚ハート・いっちゃん』から聞くところによれば、この国はとある夫婦と海竜リヴァイアサンの契約によって出来たとされる王国である。

 その海竜リヴァイアサンが欲しているのは、『闘争』。10年ごとに、海の中にある特設リングにて、代表者がプロレスをする様子を見て、リヴァイアサンは喜んでこの王国を守護してきた。

 それを陸で練習しようと言い出した者が居て、それが広まり、それがプロレスがウミヅリ王国で流行ったという事らしい。


「なるほど! という訳で、ウミヅリ王国とプロレスとの意外な関係が分かった所で、今日のコラボ配信は終了って事で」

「ぎょぎょ~。ほんと、すまないぎょ。あのメガロが居なければ、これから8時間にわたり、我がウミヅリ王国の魅力を、王城の王族を交えて紹介したかったのに」


(※)『8時間は普通に苦行ww』『いっちゃん、昔から長軸での配信が多いからな』『1回、釣り動画としてほぼ1日近く海釣りをする動画があったからな』『あれはあれで、良い音が出て、眠りに誘うといってバズったよなぁ~』『ASMRというヤツだな』


 いや、速めに終わって私としては安心だったよ、逆に。

 今から8時間拘束しての、配信はこちらとしては苦行に近いよ。マジで。


「(というか、"王族を交えて"とか言ってなかった? 王族とのコネがあるとか、マジで何者なんだろう?)」


 配信終了の挨拶をしつつ、私はそんな事を考える。




 この国では、男は海で、女は家で仕事をするのが正しいとされている。

 そんな中、『お魚ハート・いっちゃん』ことギジエさんは、週の半分を仕事、もう半分を配信をするという生活を続けている。この国の理念に則れば、週の半分だけしか海の漁をしていない彼は、かなり地位が低いはずだ。

 釣り配信、それから網を使っての大規模な漁の配信も予め見たが、それほど他を圧倒するほどの成果をあげているとは思えなかった。


 ----そんな人が、王族とのコネがあるとか、嘘に決まってますよね。


 うんうん、そうに違いない。そうに違いない。


「それじゃあ、今日はここまでという事で良いでしょうか? 私は、ガンマちゃんの様子を見に行きたいので」

「あー、分かりました。それじゃあ、明日の生態動画配信コラボも、楽しみにしときます」

「出来たら、長丁場はなしでお願いしまーす」


 私はそうとだけ言うと、ガンマちゃんの様子を見に、海へと向かうのであった。




 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




「やれやれ、断られてしまったな」


 ススリアの姿が完全に見えなくなったのを確認して、ギジエ----【ギジエ・ウミヅリ】第一王子(・・・・)は反省していた。

 自然な流れで、王族を----つまりは、家族を紹介しようとしていただけなのだが、まさかプロレス配信という介入があるとは思ってもみなかった。


 ギジエは、この国の3人いる王族の子供の1人。

 『普段から民と同じ目線で』をポリシーとしている彼は、配信者『お魚ハート・いっちゃん』として、この国の魅力を伝えている。

 国民にはバレバレだし、配信内でススリアにも伝えようとしていたので、別に隠すような事でもない。


 彼女からコラボの話が来た時、ギジエは凄く喜んだ。

 他国から、シュンカトウ共和国の商人から、ススリアという錬金術師が為した偉業の数々を聞き、我が国が抱える問題の1つを解決してくれるんじゃないかと感じたからだ。


「そしてそれは、確信に変わった」


 あのプロレス配信の際に見せた、あの力。アレがあれば、我が国が抱えるその問題を解決できる。


「明日は海の生態調査のコラボ配信、か。その時には伝えないとな」


 そう思いつつ、彼は王城へと帰還するのであった。




(※)ギジエ・ウミヅリ第一王子

 この国の第一王子にして、配信者『お魚ハート・いっちゃん』として活動するタコの魚人族。『普段から民と同じ目線で』をポリシーとして、ウミヅリ王国の魅力を他国へ発信している

 海、そしてこの王国の事は好きだが、自身が国王に立つという欲求は少なく、父である国王もまたその事については了承している

 シュンカトウ共和国の商人と話す中で、ススリアの事を知り、コラボの中で、問題を解決してもらおうと計画中

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓途中でも『ご感想』『こうなったら面白そう』『こんなキャラどう?』という発想、また『フォロー&☆評価』お待ちしております!

カクヨム版(最新話更新中)!! 是非、ご覧ください!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ