彷徨う巨人
1944年
アメリカではレンドリース法で潤っていた産軍複合体はソビエトの崩壊、ヒトラー暗殺により早く終わってしまったヨーロッパ戦争の代わりを求め、政府に圧力をかける
日英露同盟への警戒、恐怖も相まり、決戦兵器としてマンハッタン計画にさらに多額の費用(60億ドル)をつぎ込む
合わせて両洋艦隊を発注するが、日本による戦訓のミスリードの効果により
・モンタナ級64000t(50口径16インチ3連装砲4基)戦艦24隻
・ヨークタウン改級21000t空母8隻
・ボルチモア級14500t重巡洋艦40隻
・ギアリング級2450t駆逐艦300隻
となる
それ以外にも
・P72スーパーサンダーボルト 2万機
・B50 スーパーフォレスト 5000機
・F2Gスーパーコルセア 1万機
・AM モーラー 3000機
・M26パージング戦車 3万両
・M3ハーフトラック 5万両
・ウィリスM38 10万両
《ニューヨーク・ヘラルド》
「勝利の鐘と共に鳴ったのは、造船所の警報ベルだった。平和が訪れたはずの欧州を尻目に、我々はなぜ戦時下以上の鉄を打っているのか。モンタナ級戦艦が並ぶハドソン川は壮観だが、その巨体を動かすための石油や人は??我々は檻の中で牙を研ぐ猛獣に過ぎないのではないか。」
《帝国通信社》
「アメリカは自由ではなく経済を守るために、戦争を延命させている。彼らが造る数万機のレシプロ機、数万両の戦車……見てくれは良いが実態を伴わない虚しい投資である。」
アメリカ経済に浸透していた際に作っておいた経済界の情報網(ゼネラル・エレクトリック、イーストマン・コダック、ユニオン・カーバイド 、ストーン&ウェブスター等)やユダヤコミュニティによりマンハッタン計画の情報を随時得ており、日本も英国科学者とともに開発プロジェクトを進めていた
《石川一郎(統合社会保障基金科学技術顧問)》
「アメリカの友人たちは、自分たちが『秘密』を守っていると信じている。しかし、彼らがユニオン・カーバイドに発注したフッ素化合物の量や、ストーン&ウェブスターが建設している異様な規模の電力施設のデータは、すべて分析済みだ。」
《ロバート・オッペンハイマー(物理学者)》
「60億ドルを注ぎ込んだこのプロジェクトが、国を救うのか、それとも滅ぼすのか……私にはもう分からない。日本にはシラードがいる。あの天才が、何を作っているのか……恐ろしい。彼らは我々より先に、原子の火を手に入れるかもしれない。そして、我々と違って、それを『平和利用』するだろう。」
《レオ・シラード(物理学者)》
「アメリカに残った仲間たちには申し訳ないが、ここ(日本)には、トランジスタ計算機がある。アメリカが数ヶ月かかる計算を、我々は数分で終わらせる。核エネルギーは、野蛮な爆弾としてではなく、世界を照らす永遠の動力(原子力発電)として、パックス・ジャポニカの心臓となるべきだ。」
1945年
アメリカの無理に買い戻しを行った歪な経済はヒトラー暗殺により想定より早くに終わってしまったヨーロッパ大戦による戦争特需の終焉やソビエト共和国消滅によるレンドリース料金(300億ドル)のデフォルト、産軍複合体による圧力による軍事費増額費、マンハッタン計画の費用が重なり経済大崩壊
1929年時に比べて日本から無理な買い戻しにより金準備が枯渇し、被害はより深刻
《ワシントン・ポスト》
「我々は戦わずして負けたのだ。24隻の戦艦モンタナ、その数千門の巨砲は、空腹の子供にパン一つ与えることはできない。ハドソン川に並ぶ鋼鉄の艦隊は、今や国家を破産に追い込んだ記念碑に過ぎない。自由の女神は今、松明の代わりに借金の証書を握りしめて泣いている。」
《シカゴ・トリビューン》
「ルーズベルトはかつて『恐怖そのもの以外に恐れるものはない』と言った。だが、我々は今、もっと恐ろしいものを見ている。それは『無価値なドル』と、それを生み出した我々の傲慢だ。日本の基金に頭を下げていた日々の方が、まだ腹を満たすことができたとは、なんという歴史の皮肉か。」
《ウォールストリート・ジャーナル》
「ドル、紙屑へ――本日、ニューヨーク証券取引所は無期限閉鎖された。ドル建て資産は、すべて無価値と見なされている。唯一取引されているのは、『円建て証券』のみ。皮肉なことに、我々が『追い出した』日本の通貨が、今や唯一の命綱だ。」
《大蔵省(日本) 内部報告書》
「米国の崩壊は、国家経営における『見えざる手(市場)』を『軍事の鉄拳』で歪めた報いである。彼らは金を失い、信用を失い、そして未来を失った。日本がかつて救済した手を振り払い、感情に任せて『買い戻し』を行った瞬間、この結末は確定していた。我々は対岸の火事として、この教訓を深く心に刻むべし。」
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