特番:エイプリール回(樹と神の壮絶な戦い)
本日2話目の投稿です。ご注意ください。
このお話はエイプリール回のお話です。たぶん本編とは関連がありません。
ご注意ください。
ふふふふ、ほ~~~ほっほっほ!
樹は正に有頂天なのです!この世界に生まれすでに何年か、年輪表示器でも※※※と表示されなくなって幾久しいのです。
そんな私も、200歳の頃から、今の今現在進行形であの横暴な神との戦いを繰り広げているのです!
コソコソ人の生活を覗き見て、ニタニタしてるに決まってる変態野郎に対し、わたしは勇敢にも戦いのビンの蓋を切ったのです!え?ビンの蓋じゃないですか?鍋の蓋でしたっけ?
とにかくです、長い長い戦いが続きました。当初は当たり前ですが、わたしは劣勢で、子供達を総動員して眷属達を作り続けました。
ほら、昔から神の力の源は信仰だって言うじゃないですか。
だからわたしは、あんちくしょうを信仰する人族を、次々にわたしの眷属へと進化させていったのです!
戦いから50年も過ぎると、眷属達は一気に優勢になって行きました。
人族の村、街、国を次々に支配し、人は鬼やエルフ、ドワーフ、更には悪魔など様々の進化形態に生まれ変わりました。
世界中にわたしの子供達が育ち、大樹となって様々な木の実を実らせていきます。
その御蔭で、眷属はどんどん増えていくのです。
何時の頃からか、人族は眷属達を魔族と呼び、更にはわたしを魔王なんて呼ぶんです!
すっごい失礼な呼び名だと思いませんか?
わたし相変わらず樹ですから、まったくもって動けませんし、物も食べれないですし、着飾る事も、可愛い物をもふる事も出来ないのです。そんな可愛そうなわたしを魔王なんて!
更には、勇者なんてものを呼び出しちゃったんです!
思わず貴方達なにしてんの~~~!
って叫んじゃいましたよ!相変わらず口が無いので心の中でですが。
で、その勇者を見たら、なんと、なんと!これでもかって感じの電飾付で
”勇者の上に女神様の加護付、うらやましい?美味しい物食べ放題?”
なんて表示が見えるんです!
く~~~や~~~し~~~い~~~、あの神はやっぱり女でした!こんな陰険な事を考えるのってやっぱり女なんです。前世からそれは決まっているのです!
しかも、この勇者めっちゃくちゃ強いのです!うちの眷属が束になっても敵わないのです。
くううう、このままでは勝ち目が低いのです!
しかしこの勇者、すっごい女にだらしないのです。
ハーレムPTなんて率いているのです。
こんな奴に負けたら、女の凶事がですよ!ん?また何か違うですか?
とにかく勝つために手段を選んではいられないのです。
という事で、女達に木の実を食べさせよう作戦です。現四天王の一人エルフっ子でまず誘惑して、木の実を食べさせるのです。
・・・エルフっ子さん、あの、誘惑という言葉を知っていますか?
何かと言うと、今わたしの見ている映像には、無表情で勇者に木の実を差し出しているエルフっ子がいます。人型木の実145号仕様です。エルフっ子の手の上でどこの美少女フィギュア?って感じの木の実が勇者に向かって手招きしてます。しなを作ってます。エルフっ子より遥かに勇者を誘惑する気満々です。
でも、木の実そっちのけで勇者が何やらエルフっ子に声を掛けています。
あれ?エルフっ子の頭上に何やら電飾が・・・・
”エルフっ子ちゃんは勇者の仲間になりました。ねぇくやしい?くやしい?”
ふぎゃ~~~四天王が反旗を翻しやがりましたよ!なんですか?勇者のハーレム力ですか?
あんな無口、無表情キャラのどこが良いのですか?!
くぅ、とにかく次の刺客を送り込まないとなのです!
樹は気が付いていない。
自分の頭の上にも表示がされている事を、それ故に、どれ程人族を減らそうと意味のない事を。
”神の使徒(別名:玩具)”
樹に集まる信仰も、全て女神に吸い上げられている。
◆◆◆
「うお~~~流石は異世界!無口無表情美少女エルフ来たこれ!異世界来てよかった~~!」
ある街中で異様な叫び声が響き渡った。
そして、その時一人のエルフっ子が自身が今した選択を後悔したとかしなかったとか。




