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2-17:隠された真実

神樹達は、樹の捜索において一定の成果を出していた。

樹からと思われる思念は、残念ながら意思疎通が出来るほどの同調は図れないまでも複数の場所にて受信する事によりその方角、だいたいの距離を測定する事が出来ていたのだった。

その測定に基づき、人型木の実を派遣し樹周辺の状況確認を行う、可能であればその地へと神樹の植樹を行う為の土台を作る予定であった。

しかし、当初の予定が大幅に覆される事となる。

目標に向けて進んだ木の実達の前に海が、潮流が立ちはだかったのだ。

無策で海へと突撃した人型木の実の大半は、沖合の潮流に流され目標に辿り着く事が出来ずその大半は海の中で朽ち、文字道理溶けてなくなって行った。

次に潮流に流されない様、人型木の実達はそれぞれを繋ぎ、巨大な蛇のように海底を進んでいった。

しかし、ここにおいても問題が発生する。塩水に長く漬かった木の実達が行動不能に陥りだしたのだった。


”駄目だ、腐ってやがる”


そう言ったかどうかは解らないが、神樹達は海底お散歩遠征作戦を中断する事にした。

そして、新たに発動されたのが、羽根帽子、ふわふわ飛んで空中遊泳作戦であった。


この作戦にはタンポポ綿毛型、竹トンボ型回転型など飛行可能と思しき種達が投入された。

そして、海岸から次々と飛び立つ種達。まるで空が塗りつぶされるかの光景に、もし人族達がこの光景を見ていたとしたら恐怖を感じていただろう。種達は海の潮流に影響される事無く、どんどんと空を飛んでいく。

しかし、次第に綿毛たちは目的地へのコースから逸れ、まったく見当違いの方向へと飛び去って行く。


”駄目だ、季節が悪い”


季節風によって別方向へ流される綿毛、しかし、季節だけの問題なのか?と疑問が残る所ではある。

そんな苦境の中竹トンボ型の種達は、強い季節風に負けることなく目標へと着実に飛んでいった。

成功か!と思われた時、先頭を飛行していた竹とんぼ型の下部分にぶら下がるある種が突然分離、海中に沈む。その後羽根部分も同様に墜落していく。そう空中分解を起こしていた。

その後、時間をそう隔てることなく次々と空中分解を起こす竹とんぼ型。本来は回転しながらも風の流れに任せて飛行するのに対し、風に逆らい続けたが故の茎部分の疲労による崩壊である。


”駄目だ、マグネットコーティングが必要だ”


神樹達がそう言ったかは定かではないが、次々と計画は失敗に終わっていく。

正に万策尽きたかに思われた時、最古参の神樹の一本が今までの作戦を振り返って意思を飛ばして来た。


”我々は植物なんだし、海底のその下の地面を進めば良いんじゃないか?”


意思ある神樹達はその意思に驚きとその閃きに称賛を送り、木の実達へと海底の下を進むように指示を出した。そして、海底の更に下を進む。しかし、次第に深くなる海底において圧力が高まり、木の実達は身動きが出来なくなる。そこで、木の実達はその地に根付き次世代へと希望を繋ぐ事とした。神樹の意思を考慮する事無く。


”駄目だ、気が長すぎる・・・”


途方に暮れる神樹達の前に、思いもしない希望が訪れた。

第一陣で派遣された木の実、その木の実を捕食した大型の魚類達が角を生やして訪れたのだ。

その大型魚類達に蔦を絡ませ、次々に木の実達が目的地である島へと辿り着いた。

多少塩味がスパイスとなりはしたが、塩漬けになる前に島へと辿り着いた木の実達は、次々と海面から、目の前の崖を登り始めた。この後の苦闘を知る事も無く、ただ崖を登って行った。


海水に浸った為、日差しを避けて夜間に崖を昇る、そこで何かに仲間達を叩き潰される。

そんな事を繰り返しながらも、島に上陸しそこにまず根付く、ただそれだけを目標に動いていた木の実達が、突然その目的を変更した。仲間の木の実がその島にいる生き物に捕食されることに成功したのだ。

しかも、その数は5体!これによりまず当初の目的を達成した木の実達は無理に島へと上陸する事無く、潮流に流されていく事となった。そして、そこに生まれた新たな仲間を守り、維持し、樹の捜索を広げる為に新たな作戦を実行する。


魚達の協力を得た事によって思いついたその作戦名は、渡り鳥さん、実は食べていいから種は運んでね作戦!そもそも、意思の疎通は今一つ覚束ないながらも、しばらくすると何をしようとしていたか忘れる忘れん坊さんが多数いる種族ではあっても、すでに渡り鳥の仲間はいるのだ。


そして、この渡り鳥たちの協力の下、渡り鳥爆撃隊の編成が始まったのだった。

う~んと、うん、ジャンルがまた瞑想しそうな第2章になってる気がします?

気のせい・・・かな?どうでしょうか?

でも、不思議生物いっぱいだから、ファンタジーではある・・・よ?(ぇ

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