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マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第十章 古き血脈

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帰路

 先週は週末更新できず申し訳ありませんでした。

 いざ投降しようとしたら、パソコンがフリーズ。再起動してみたら、保存してなかった部分が全部消えてまして。

 心が折れました。( ノД`)シクシク…


 できれば、明日もう一話更新したいところですが、無理だろうなぁ。我ながら筆が遅すぎる。(*- -)(*_ _)ペコリ

 葬儀から三日。色々な後始末が終わった。


 王領の行政府はとっくに準備済みで、後は代官の着任を待っていた状態。官僚はバルトコル伯爵家の家臣がそのまま横滑りして、名札を付け替えるだけだったそうだ。

 そりゃスムーズだろう。


 一人だけ当てが外れたのは新任代官。

 元バルトコル伯爵は祖父の弟だから大叔父にあたる。助けてもらおうと当てにしていたのに、カレスン卿はテムニー侯爵邸がある王都へさっさと出立することになって、涙目らしい。

 ま、頑張って。大出世なんだから。

 

 ようやく王都へ帰れる。でも、厄介事がなくなった訳じゃなかった。

 往路では社交を全部無視して来たけど、復路ではしっかりこなす必要が有るそうだ。


「高位貴族、それも侯爵家以上になると、行く先々で領主の館に宿泊し歓待を受けながら進むことになる。相手にとっては千載一遇の機会であるからな、それはそれは丁寧なお持て成しが待っているのよ。庶民の使用する乗合馬車の、ざっと三倍は時間が掛かると思って良い」


 デアモント公爵閣下が、高位貴族の教養講座に丁度いいと解説を買って出て下さった。

 あんまり有り難くない。

 そんなもの受けたくないのが本音だけど、仕方ないんだろうなぁ。


「通常であれば、大体の旅程を半年前には開示して、宿泊可能かどうか問い合わせる。色よい返事が来れば訪問予定を知らせて、正式に宿泊依頼を出す。天候や諸事情で日程が前後するのは当然で有るからな、前日か遅くとも当日の朝に早馬で先触れを出して到着予定時間を確定させるのよ」


 文字通りの大名行列、あまりに煩雑だ。侯爵以上の上位貴族がほとんど領地に帰らず、王都に留まる理由の一つに数えられるとか。納得だね。


「侯爵家以上ともなると、専任の執事がおるからな、準備は一言命じるだけで良い。それほどの負担ではないぞ」


 へえ、そうなんだ。それにしては詳しいですね。

 下々(しもじも)の仕事にも精通してないと駄目ってことかぁ。僕にできるかな。ちょっと自信ないよ。公爵家なんて継ぎたくない。


「ま、寄り子に対する褒美のようなものよ。基本的に王都へ呼びつければ済む社交を、わざわざこちらから出向いてやるのだからな。それだけに、仲間外れをつくると不満が起きる。丁寧に全ての家を回った方が面倒は少ない」


 それで乗合馬車の三倍の時間が掛かるんですか。


 あれ。


 王都からバルトコル伯爵領、いや、王領バルトコルか。そこまで乗合馬車を乗り継いで一月掛かるんだった。

 三倍って、三月(みつき)もかけてたら学園の単位を落としてしまうぞ。一足先に帰らせてもらわないと、付き合ってられない。


「ただし、今回は聖女ミリア謹製キャンピングカーもどきの常識外れのスピードがあるからな、かなり変則的になる。何しろ、早馬を出しても間に合わぬ。いきなり訪問することになるから、挨拶と、せいぜい休憩でお茶の持て成しを受けるくらいよ」


 そう言って、デアモント公爵閣下は悪い顔で笑ったのだった。

 おお、(コワ)




 結局、三日(みっか)で駆け抜けた道を、帰りは五日(いつか)かけて戻った。


 四台のキャンピングカーもどきの内、使用人に割り当てられた家紋なしの一台を先触れに出して、宿泊場所を確保してた。

 相手はどこも伯爵家で、一日足らずの準備期間でもなんとか体裁(ていさい)を整えられたのは流石だった。


「なあに、いきなりの訪問を理由にかなり経費節減できた上に、上位貴族に恩を売れたのだ。後ほど迷惑料込みの謝礼を送ると約束したし、内心ホクホクであろうよ」


 迷惑かければかけるほど喜ばれるなんて、すごい理屈だなぁ。

 権力と金って、あるだけで恐ろしいよ。








 マーク君、新任代官にテキトーなエール送りました。他人事ですから(笑)


 帰り道の薀蓄、本編のオスカー君の体験談に追加情報入れました。

 高位貴族の内情知って、ますますマーク君は敬遠してます。


 次話から学園へ戻りたいな。


 お星さまとブックマーク、よろしくお願いいたします。


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