ごあいさつ
短い。短いですがキリが良いので。このまま続きを書くと長くなりすぎて(笑)
リクスト村長とプリオ父さんの当惑はこれからが本番です。
神父さん、善い人だー(⋈◍>◡<◍)。✧♡
開拓村からトクス村までは荷馬車で買い出しに来れる距離だ。夜道を覚悟すればその日の内に往復できる。
対して、カース公爵領の領都までは馬車で十日かかる。気楽に行ける距離ではない。
「服装も整えなければなりませんね」
神官に言われて、リクストとプリオは自分の体を見下ろした。
泥だらけの野良着よりはましだが、着古した平服だ。こんな格好で貴族様のお屋敷に行ったら、門前払い確実だろう。
「正式に叙爵する際は、王都の貴族院まで出頭することになるはずですよ。王家直参の男爵ともなれば、王宮にて謁見の栄誉に与ることもありましよう」
公爵家さえ敷居が高いのに、王宮なんて絶望しかない。
青ざめた二人に、神官はにっこりと言った。
「ですから、公爵閣下に寄り親になっていただきましょう。寄り子になれば援助していただけますよ。そうですね。馬車と馭者、貴族に相応しい衣装、礼儀作法の教師の手配、とりあえずはそこからでしょう」
「あ、あのぉ。随分お詳しいですね」
「はい。わたくしの生家は代々公爵閣下にお仕えしておりまして。と言いましても、事務の末席ですが。騎士爵や準男爵の寄り子の皆様の実務を担っております。父や兄の姿を見ておりますので、多少は」
神父は文官として国から俸給を支給される立場だ。平民の職の中では貴族寄りで、貴族の傍系出身者が大半を占める。
そんな内情をサラッと説明して、公爵家に対してはここまでだと線を引いた。
「教会は国の出先機関ですから、領政に口を挟むのは憚られるのですよ。管轄違いになりますでしょう」
リクストは、見捨てないでくれと縋り付きたい内心をぐっと抑えた。
神父様には随分と親身になってもらった。これ以上は甘えすぎだろう。
「そうですね、トクス村の村長を通して訪問願いを出してはいかがでしょうか。辺境開拓が認められるなど、滅多にない慶事ですし、無碍にはされないと思いますよ」
最後に付け加えられたアドバイスをありがたく受取り、村長の家へと荷馬車を向けたのだった。
カース公爵の館に書状が届くまで十日。そこから決済されて返事が来るまで一月は掛かるだろう。
そう目途を立てたのに、盛大に裏切られることになるとは、まだ知らない。
キャンピングカーモドキという馬無し馬車がやって来るなど、想像もつかない二人だった。
カース公爵、ライナー君の故郷となれば、虎の子の乗り物出してきますよね(笑)
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