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マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第十三章 デアモント公爵

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開発計画

 注目度ランキングに載りました。そしたらジャンル別ランキングに載って、総合ランキングにもちょこっと載りました。

 皆様のお陰です。ありがとうございました。


 多分、今年最後の更新になります。年末の主婦は忙しいもので。

 お節、半分は手作りします。材料費考えると、出来合いの物を少量買った方が安くつきそうですけど、やっぱりねぇ。


 年明けは、恒例の正月特番を投稿します。短編で済まずに中編になりそうですが(笑)

 マーク君の学園生活はそれがおわってからになります。どうぞよろしく。




 エザール叔父さんとデアモント公爵閣下の後ろから、ぞろぞろと文官の皆さんが入って来た。書類の束や両手で抱えるサイズのボードを、中央の机の上に並べていく。


 複数のボードが隙間なく並べられると、巨大な地図が完成した。

 デルスパニア王国がすっぽり収まっている。領地の境界線と河川、それに街道だけがはっきりと描かれていて、他は白紙のままだ。

 何だろこれ、未完成品?


 しげしげと見ていたら、デアモント公爵が声を掛けてきた。

「これはな、インフラ整備用の白地図というものだ。これを元に新しい街道をどこに造るか計画するのよ。優先順位を検討するには、余計な情報は邪魔でな。都市同士の利権争いを無視するには、初めから地図に載せなければ良い。他も同じよ」


 うわあ。また(とが)った地図だ。


 パサリと、薄い何かが地図の上にかぶせられた。下の地図が透けて見えてる。紙には見えないし、布か何かか。

 それには絵が描いてあって、ぐるりと国の周りを太い線が囲っていた。


「そら、これが辺境開発案の一つよ。既存の領地のすぐ外側に、運河をめぐらす。聖女様の神託に従って神代の交通手段を構築する計画だ。辺境の王領であるからな、土地は使い放題よ」


 へっ。神託ですか。

 神代の交通手段って、あのキャンピングカーモドキみたいに出鱈目な奴ですか。





 妻のリアーチェが、甥っ子のマークの手紙を持ってきたのが始まりだった。

 私はエザール・デイネルス侯爵。デパ国の第三宰相を拝命している。個人の都合より国家を優先するのが当然の立場なのだが。


「マーク・ランドール伯爵子息は、聖女様の義兄である。ライナーは聖女様のアシスタントを務める者。便宜(べんぎ)を取り計らうように」

 第一宰相マクミラン侯爵閣下の指示となれば、従わざるを得ない。

 リアーチェ、王宮へ手を回したな。女侯爵としての手腕は衰え知らずか。そこが可愛いんだが。


「畏まりました。ですが、どの程度まで許されましょうか」

 ライナー君の生まれ故郷は辺境の開拓村。そこを開発するとなると、かなり大規模になる。何も無いところに一から整備しなければならないらな。


「国土改造計画の環状線整備、あれを前倒しして実地する。なに、順番が前後するだけのこと。さすれば駅舎の候補地に辺境の村を選ぶは必然。運河にビートバンを装備した乗り物を走らせれば良いのじゃ。神代のリニア新幹線、再現しようぞ」


 正直、ぎょっとした。

 姪のミリアがもたらした神託の数々。それを元にした国土改造計画に私は深く関わっている。

 だからこそ分かる。環状線整備を優先したら計画全体を組みなおす羽目になる。予算や資材調達計画が全てご破算だ。


 しかめっ面になったのを自覚した。ポーカーフェイスを崩すのは貴族として失格だろうが、()えて隠さなかった。

 そんな私の不満表明を、マクミラン閣下は鼻で笑った。


「安心せい。国王陛下の許可はいただいておる。交通インフラはデアモント公爵家の職分。彼の者に丸投げすればよい。あ奴なら嬉々としてマーク卿に絡んでいくであろうな。さぞかし張り切って環状線を完成させよう。上手く使え」


 陛下まで噛んでいらっしゃるのか。

 仕方がない。デアモント公爵に話を通すことにした。


 済まないな、マーク。国策に巻き込むことになって。

 ライナー君の故郷は大都市になる未来が確定したから、それで納得して欲しい。


 直接書くわけにはいかない謝罪を胸に、呼び出しの公式書簡を学園へ宛てて出したのだった。








 リニア新幹線については、シリーズ本編を参照してください(笑) 目次のタイトルの上にシリーズへのリンクがあります。


 お星さまとブックマーク、よろしくお願いいたします。


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更新お疲れ様でした。良いお年をお迎えください。
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