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マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第十三章 デアモント公爵

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おつかい

 短い。短いですが、ここで切らないと長くなりすぎてしまいそうで(;^_^A


 急に季節が進みました。玄関脇の金木製が咲きましたが、香りがほとんどしません。夏の酷暑の影響でしょうか。

 学園の長期休暇はあとわずか。そんなギリギリのタイミングで、僕はランドール伯爵領へトンボ返りすることになった。

 予定外にも程がある。


 つい先日通った道筋をキャンピングカーモドキで逆走して、夜間はそのまま車中泊。寄り道無しで、食事やトイレだってキャンピングカーモドキの設備で済ませた。

 

 一歩も外へ出ない、まるで船旅のような強行軍。

 バルトコル女伯爵の臨終に駆け付けた時に、二度と御免だと思ったんだ。まさか数年で再体験する羽目になるとは。


 港町マイヅルの海軍基地に乗り付けたけど、僕はあくまで民間人。私事で軍事施設に入るわけにはいかない。

 正門入り口でオスカー義父さんに面会を申し込んで待つことしばし。

 領都からこっちへ戻ってる筈だから、すぐに連絡付くだろうって当てにしてたけど。


 敷地奥から猛スピードで小型の馬無し馬車がこっちに来た。前面の大きな窓には運転するオスカー義父さんの姿が。


「どうした、マーク、何かあったか」

 焦った声は、威厳とか全く無くて。


 オスカー義父さん、貴方は海軍の総司令官です。この基地の司令です。

 部下の一人も連れずに、フットワーク軽すぎでしょ。仕事は暇なんですか。




 案内されたのは、海軍基地に隣接する兵舎の一室だった。

 個室ではあるけれど、ベッドと机とクローゼット以外に何もない。学生寮より、ちょっと狭くないか。


「いや、将官用の官舎はちゃんと作る予定だし、予算だってついてるんだ。ただ、俺は単身赴任中だし、優先順位は俺の権限でどうにでもなるし、後回しにしてるだけで」

 オスカー義父さんはあくまで仮住まいだからこれで充分と言ってるけど。


 司令官が一つ屋根の下って、他の人たちの迷惑になってるでしょ。絶対精神衛生に悪いよ。


「それで、急にどうしたんだ」

「分かってて言ってるでしょう、父上。そも、デアモント公爵閣下に何言ったんですか」


 オスカー義父さんの目が泳いだ。

「あー、マークに話さなきゃいけないのは分かっているんだが。その、な」


「王都のランドール伯爵邸で、閣下がキャサリン母上にプロポーズしました。僕はその場にしっかり同席しましたよ。先日、閣下が父上を訪ねて来られたのはプロポーズの許可を得るためだったとか。何考えてるんですか」


 キャサリン母上はランドール伯爵家の第一夫人なんですよ。略奪婚を申し込むなんて暴挙、普通します? 

 あまつさえ受け入れるなんてあり得ないでしょうがっ。







 オスカー君とマーク君の親子の会話(笑) じっくり書きたいので次週に回します。


 相変わらず威厳と無縁のオスカー君、情けないけどやる時はやる人なんです。一応、有能なんです。でなきゃ救国の英雄呼ばわりされません(笑) 

 オスカー君の活躍が知りたい方は、シリーズ本編をどうぞ。目次のシリーズ表示から飛べます。


 お星さまとブックマーク、よろしくお願いいたします。

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