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 次に合田は柏木香織に話を聞いた。

「桐壷若菜さんの暗号を解読したそうだな。なぜあの暗号を解読できた」

「あの暗号を解読できたのは中学二年生の時。真面目に授業を聞いていたとしても暗号は解読できません。あの暗号を解読するにはあることに興味を示さないといけませんから。ヒントは二千円札」

そのヒントを聞いても合田は暗号が解読できなかった。

「それで桐壷若菜さんのことをどう思っている」

「あの暗号を解読してから若菜との距離はかなり縮まった。交換日記に混ぜてもらえる程に。若菜は私のことを親友だと思っている。だから13年前彼女が亡くなった時は悲しかった」

「因みに昨日の午前11時頃はどこで何をしていた」

「職員室で授業に使うプリントを作成していました」


 次に合田は京宮蛍に話を聞いた。

「京宮さん。桐壷若菜さんのことをどう思っていますか」

「友達です。式部君ほど親しくはなれなかったけれど、僕は彼女の味方になりたいと思っていました。それと高明君のことで思い出したことがあるのですが、彼は近い内に警察に行って殺人事件を告発すると言っていました。その殺人事件の被害者が誰なのかは教えてもらえませんでしたが」

「それをいつ知った」

「一週間前彼からメールが送られてきたのですよ」

 京宮蛍は携帯電話をポケットから取り出し、送られてきたメールを合田に見せた。

『近日中に殺人を告発する。誰が34を殺したのか。その答えが分かった。この事実が公になれば7人いる幼馴染が6人になる』

「昨日の午前11時頃どこで何をしていた」

「中川劇場で舞台のリハーサルをしていました。今回の公演では予備校の先生役をやらせてもらいます」

 

 合田は最後に式部香子に話を聞いた。

「何かお父さんから桐壷若菜さんのことを聞いていないか」

「その人は13年前に亡くなったよね。だとしたら事件が発生したのは私が5歳の時。5歳くらいの時にお父さんの友人という女性と遊んでもらった記憶がある。それが桐壷若菜さんだったかもしれない」

「つまり桐壷若菜は君のお父さんの所にたびたび訪問していたということか」

「お父さんに確認した方が早いと思うけど、確認したほうがいいよね」

 そういい式部香子は携帯電話を取り出し、父親に電話した。その時式部香子が身に着けている紫色のストールが目に留まった。そのストールを見た瞬間合田はある事実を悟った。

 合田はすぐさま大野に電話する。

「合田だ。調べてほしいことがある。……」

「それが事件と関係あるのですか」

「おそらくな」

 合田が電話を切ったタイミングで式部も電話を切った。

「ビンゴ。桐壷若菜さんは15年前から13年前までの2年間お父さんの所に訪問していたそうです。訪問の理由はある事実を告発するべきかの相談」

「捜査協力ありがとう。おかげで真実が見えてきた。刑事部長に警視総監賞について相談する」

 その一言を聞き式部香子は心の中でガッツポーズをした。


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