2.総員、校舎裏
「隊長!!!!」
「おはようございます!!!!!!」
入学初日。
馬車を降りた瞬間、私は頭を垂れた男子生徒に取り囲まれていた。
「お鞄お持ちします!!!」
「教室はこちらです!!」
「隊長!!」
「隊長!!!!」
やまびこのように響き渡る隊長コール。遠巻きにこちらを見つめるギャラリー。
よく見れば……いや、見なくても、私を取り囲んでいるのは、騎士団候補生の面々だった。
そりゃそうだという感じだが、我が隊のほとんどは同じ学校になるらしい。襟の色が違うので、先輩もいるようだ。
ゲームをプレイしている時は気にならなかったが、学年で襟の色が違うというのは、実際問題どうなのだろうか。兄弟のおさがりを着られないではないか。
まぁ、この学校に通うような身分のお貴族様は、おさがりなんて着ないのだろうが。
私が軽く右手を上げると、ザッと音まで揃えて一斉に気をつけの姿勢を取る。
しんと静まり返った彼らに、私は出来るだけ低く、小さく、唸るように告げた。
「…………総員、校舎裏」
キリのよいところで切ったら、非常に短くなりました……すみません。
明日は朝も更新あるので、許してください。





