表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブ同然の悪役令嬢に転生したので男装して主人公に攻略されることにしました(書籍版:モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う)  作者: 岡崎マサムネ
第2部 第7章 天下一武道会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

471/598

13.美意識の高い男の娘

「だって乙女ゲームですよ? 極端な話、モブ女に立ち絵作るくらいならモブ男に立ち絵欲しいってひと、結構いると思うんですよ」


 それは、確かにと納得した。


 男尊女卑というと少し違うかもしれないが、少なくともプレイヤーのほとんどがイケメン攻略対象との恋愛に胸をときめかせたくてプレイしているはずだ。

 その場合の女性キャラと言うのは、せいぜい友達か当て馬的なライバルキャラがいいところで、パラメータを教えてくれるのも女友達より男友達のゲームが多いし、ライバルというのもあくまで攻略対象の好感度を極端に下げた場合に出てくるくらいのものだろう。


 攻略対象の個別ルートでも、立ち絵があるモブは圧倒的に男キャラが多い。

 もともと主人公ヒロインであるプレイヤーをいわば接待するためのゲームなのだから、登場するキャラクターを出来るだけイケメンで統一したいというのも頷ける話だ。


 そういうものだ。それが当たり前の世界だ。

 だからこそ私も、モブ同然の悪役令嬢ではなく、攻略対象になろうとしたのだ。


 ではそこで、主人公が倒すべきラスボスなどというやたら終盤に出番がありそうだったり、重い過去を抱えたイケメンを据えるのにぴったりのポジションが、女性である必要があるのか。

 私がゲームを作る側だったとしたら――そこに、女キャラを据えるだろうか。


 答えは、否である。


「もったいないですよね? せっかくのラスボスとかいう美味しいポジション、女の子にやらせるなんて。男だったら、隠しルートとか、ファンディスクの展開とかにもつなげやすいのに――わざわざ女の子にする必要ないと思うんですよ。事実ロイラバ2、無印より売れなかったぽいですし」


 リリアの言葉に頷いた。

 明らかな売り上げや数値を目にしたわけではないが……いつまで経ってもファンディスクの話が出なかったので、ファンの間では「そういうこと」なんだというのが共通の認識だったからだ。


 そして、リリアの言いたいことが読めてきた。

 ファンディスクが出なかったことによって、本来制作陣が意図していた設定が明らかにならないままになってしまっているのではないかと、そう言いたいのだ。


 その闇に葬られてしまった設定というのが――ロイラバ2のラスボス、幻惑の魔女グレイシアが実は男だった、と。そういうことなのだろう。


「つまり、レイは」

「正真正銘、幻惑の魔女です」


 リリアが真面目な顔をして頷いた。

 彼女の言いたいことは理解できる。しかしどうにもひとつ腑に落ちず、私は首を捻った。


「でも、男の娘だよ? 需要あるかなぁ」

「男装女子が何か言ってる件」


 大きなお世話だ。

 だいたい男装の麗人は需要、あるだろう。こんなに女の子にきゃあきゃあ言われている私の現状をよく見てもらいたい。


「『男の娘』って言ったら確かに女性ウケより男性ウケしそうな感じがしますけど」

「だろ?」

「でもそこに『美意識の高い(・・・・・・)』をつけたら?」

「……それは話が変わってきたな」


 美意識の高い男の娘、というか女装男子。

 ものすごく見覚えがある。急に一見パッとしなかったり化粧っけがない原石系の女の子を素敵に変身させてくれそうな存在に思えてくる。


 ビューティーアドバイザー的な役割をしてくれていた彼がいつしか主人公に惹かれていき、主人公が最初に憧れていた男にデートをすっぽかされたりなどしたあたりで「オレにしとけば?」とか言ってきそうな気さえしてくる。

 枕詞一つでこうまで変わるものか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍最新6巻はこちら↓
i000000

もしお気に召しましたら、
他のお話もご覧いただけると嬉しいです!

転生幼女(元師匠)と愛重めの弟子の契約婚ラブコメ↓
元大魔導師、前世の教え子と歳の差婚をする 〜歳上になった元教え子が死んだ私への初恋を拗らせていた〜

社畜リーマンの異世界転生ファンタジー↓
【連載版】異世界リーマン、勇者パーティーに入る

なんちゃってファンタジー短編↓
うちの聖騎士が追放されてくれない

なんちゃってファンタジー短編2↓
こちら、異世界サポートセンターのスズキが承ります

― 新着の感想 ―
[一言] 本当にオネエ枠が来るなんて思ってなかった笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ