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モブ同然の悪役令嬢に転生したので男装して主人公に攻略されることにしました(書籍版:モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う)  作者: 岡崎マサムネ
第1部 第4章 長い長いエピローグ編

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37.交渉は決裂のようだ

年内完結は無理そうですが、数え間違えていなければ(そして分量がここから激増しなければ)三が日中には完結しそうです!

終わる終わる詐欺しててすみません……完結までは1日3回更新で突っ走っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

「エリザベス! おはようございマス、愛しい人!」

「おはよう、ヨウ」

「今日もお美しいデスね、まるで絵画から抜け出たようデス!」

「ありがとう」


 私は悟った。下手に騒ぐからいけないのだと。相手にするから調子に乗るのだと。

 平常心である。全部さらっと流してしまえばいい。


「……エリザベス!」


 思いっきりハグされた。ぶっ飛ばすぞ。

 いや、落ち着け。平常心である。


 ヨウは私をぎゅうぎゅう締め上げながら、機嫌よくその場で一回転した。

 私は女子にしては重たい方……というか男性並みだと思うのだが、意外と力がある。


「やっとワタシの気持ちを受け入れてくれたのデスね!」

「そういうわけではないけれど」

「嬉しいデス、愛しい愛しいワタシの天使……」


 瞳を眇めて見つめられ、するりと頬を撫でられた瞬間、背筋をぞわぞわと寒気が走った。

 あ、無理だ、これ。何ていうか、生理的に。


 腕を掴んで、頬から手を離させる。抱きつかれているせいですぐそばにある彼の耳に、周囲に聞こえないよう囁いた。


「おい、お前の目的は何だ?」

「ン? 目的?」

「私に近づいて、何を狙っている?」

「ワタシは、アナタのことを愛して……」

「そうじゃなくて」


 彼の目を見る。にやりと口角を上げて笑顔を作ると、すっと彼の顔から愛おしげな表情が消えた。

 開いた黒々とした目が、私を捉える。


「目的があるんだろう? 君は聖女のことを探りに来たんじゃないのか?」

「何を言って……」

「場合によっては、協力できるかもしれない」

「え?」


 私の言葉に、彼が驚いたような顔をする。そういった顔をしていたほうが、よほどマシだ。

 好意を取り繕った顔をされるのはどうにも薄気味悪い。


「私は別に愛国心が強い方じゃない。国より自分が大切だし、名誉よりも富や権威に興味がある。君に協力する方が私の得になるのであれば……私はそれを選択するかもしれない」

「…………」


 しばらく黙っていた彼が、腕を解いて私を解放した。その顔には、薄気味悪い笑顔が貼りついている。


「何を言っているのデスか、エリザベス。ワタシはアナタを愛している。それだけデスよ」

「そうか。それは残念だ」


 私は肩を竦めた。交渉は決裂のようだ。

 うまいこと情報を聞き出せないかと思ったのだが……やはり私には、謀略知略は向いていない。ぶん殴って解決するほうがずっといい。


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