表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブ同然の悪役令嬢に転生したので男装して主人公に攻略されることにしました(書籍版:モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う)  作者: 岡崎マサムネ
第1部 第4章 長い長いエピローグ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

194/598

8.いったい何に付き合わされているんだ?

活動報告にちょっとした小話? 番外編? を書きました。

今回はアイザックがメインのお話です。

例によって本編を読む上では必要ない単なるオマケです。

それでもいいよ、という方はぜひ覗いてみて下さい。


(R3.6.8追記)活動報告にあった小話は本編中の「閑話」、または「番外編 BonusStage」に引越し済みです。



「ああ、麗しい人……どうかワタシにその名前を呼ぶ権利を」


 休み時間になって早々、ヨウがまた私の席の横までやってきて跪き、芝居がかった調子で話しかけてきた。

 何だろう、これ。私はいったい何に付き合わされているんだ? 砂を吐きそうだ。

 

 とりあえず、私の手を取ろうとする彼の手を握り、引っ張り起こして立ち上がらせた。

 自然に握手をしている風を装って、社交辞令の挨拶をする。


「お初にお目にかかります。バートン公爵家が長女、エリザベス・バートンと申します。どうぞ、お見知りおきを」

「おお、何と素敵な名前でショウ! どのようにお呼びすれば?」

「好きに呼んでくださってかまいませんよ」

「では、ワタシの美しい駒鳥、と」

「…………バートンでもエリザベスでも、好きな方でお呼びください」


 予想の斜め上を行く球を投げてくるな。大暴投である。


 黒々とした目が爛々と輝き、私を見つめている。そこに映る自分の笑顔が僅かに引き攣っているのに気がついた。

 まずい。相手のペースに呑まれてはいけない。


「では、エリザベスと」

「ええ。よろしくお願いいたします、ウォンレイ様」

「ヨウでかまいまセン!」

「ヨウ様」

「様も敬語もいりまセン! ワタシたちの仲ではありませんカ」


 仲も何も初対面だ。

 正直敬う気持ちは欠片も起こらないが、そうは言っても相手は他国の王子様である。

 外交問題になったらどう責任を取ってくれるのか。


 同じ王族に聞こうとロベルトに視線を送ると、ぶんぶんと首を振られた。

 「俺に外交のことが分かるわけないじゃないですか!」と顔に書いてある。それもそうだ。


 仕方ない。一応学園内では身分の差はないものとして扱うことになっているわけだし、何かあってもせいぜい学園長の首が飛ぶ程度だろう。


「よろしく、ヨウ。それじゃ、私は用事があるから、これで」

「え?」

「行くよ、リリア」

「え?」


 するりとヨウの前から抜け出して、後ろの席で様子を窺っていたリリアを小脇に抱える。

 そのまますたすた歩いて、颯爽と教室を抜け出すことに成功した。


 追いかけて来られてはたまらない。適当な窓を開けて、隣の校舎の屋上までの距離を測る。


「え、エリ様? あ、ああ、あの」

「ちょっと、落ち着いて話が出来るところに行こう」


 窓枠に足を掛けて、跳躍する。リリアの悲鳴が聞こえたが、黙殺した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍最新6巻はこちら↓
i000000

もしお気に召しましたら、
他のお話もご覧いただけると嬉しいです!

転生幼女(元師匠)と愛重めの弟子の契約婚ラブコメ↓
元大魔導師、前世の教え子と歳の差婚をする 〜歳上になった元教え子が死んだ私への初恋を拗らせていた〜

社畜リーマンの異世界転生ファンタジー↓
【連載版】異世界リーマン、勇者パーティーに入る

なんちゃってファンタジー短編↓
うちの聖騎士が追放されてくれない

なんちゃってファンタジー短編2↓
こちら、異世界サポートセンターのスズキが承ります

― 新着の感想 ―
[気になる点] ダークホースが登場! [一言] あー、もうなんと言ったら良いのか、私の語彙力が無いのが悔やまれます! エリザベス様が可愛い、リリアも可愛い…。 小脇に抱えられて、皇太子殿下と同じような…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ