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本日、物語のラストに向けて連投予定です。

いつも読んでくださる方々本当にありがとうございます。

誤字報告とても助かっています。

「ここに来るのも久しぶりだな」


「う、うん。そうだね」


なんか緊張してしまう。


シエルは大きな木の下に座った。


「ソフィアも座れば?」


「う、うん。そうだね」


私はシエルの隣に座った。


「あのさ…。なんか街の皆が結婚とか色々言ってるけどさ…」


シエルも色々言われてるのか。


「俺たちの事は俺たちが決めればいいから」


シエルの方を見るがシエルは前を見たままだ。


シエルの横顔綺麗だな…。


「俺は遠慮するつもりはないって言ったけど、別に焦っているわけじゃない。ソフィアのことは誰にも渡さないし諦めるつもりもないけど、ソフィアが時間が欲しいならちゃんと待てるから」


「シエル…」


シエルは私の方を向いた。


「でも一つだけ聞いてもいいかな」


「うん、何?」


「俺のこと好き?」


シエルの真剣な問いには真剣に答えなければ。


「…好き」


そう、わかってる。


私はシエルのことちゃんと男性として好きだ。


ただ恋愛に慣れていなくてどう振る舞っていいかわからないだけなのだ。


「それを聞けたら十分。ソフィアは無理に変わらなくて今まで通りでいいから」


「いいの?」


恋人になったらどう振る舞っていいかわからなくて、それで返事を即答できなかったのに。


「俺が少しずつ進めていくから。焦らないから。ソフィアのペースで大丈夫」


シエル…。


「ありがとうシエル。わたし、シエルのことが好き」


シエルが空を仰いだ。


「自分の破壊力を知らないから困る…」



そうして私達はゆっくり恋人になった。


「まあ、私はもちろんソフィア様が結婚してもついていきますけどね」


我が家に帰りガブリエルに話すと彼はそう言った。


「はーい!オレももちろんついていくぜ。なんて言っても従魔だからな」


アヴァリスは椅子に逆向きに座り片手を上げて言った。


「我々を含めて受け入れてくださる人でなければ結婚は諦めてください」


何それ?条件さらに厳しくないか?


でも確かにガブリエルやアヴァリスが別で住むとか無理かもな。


あれ?これってすでに詰んでたんじゃない?


翌日、女神フォンテーヌ様に会いに行ったら色々とお説教をされてしまった。


なかなか会いに来れなかったことももちろんだが、一番は大切なネックレスをクロエに預けた事だ。


「しかし、それがソフィアなんですよね」


女神様はため息をついて言った。


「あなたが家族や友人を大切にする気持ちはよくわかります。しかし、これからも危ない目に遭うことがあるかもしれません。その度にあなたは同じ事をするんでしょうね…」


申し訳ないが、同じことがおきれば私はまたネックレスを渡してしまうだろう。


「あなたが大切な人を思うように、私達もあなたが大切なのです」


女神の言葉にガブリエルとアヴァリスも激しく頷いている。


「そこで、この指輪を作ってみました。名付けて復活の指輪です」


「!!」


女神はジャーンと、手のひらに乗せた指輪を見せた。


「なんと一度だけ生き返ることのできる指輪です。これをはめておけば、ネックレスを渡してしまっても大丈夫!」


女神様…。


女神はにっこり笑って私に指輪を嵌めた…。



読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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