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83、帰還

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

モルドールの街の入り口に到着すると、見知った門番が声をかけてくれた。


「ロイド商会のお嬢さんじゃないか。ランベール王国に行ってたらしいが戻ってきたんだな」


「ええ、そうなの」


私が答える。


ランベールに行っていた事知ってるんだ。


さすが商業都市、情報が回っている。


「シエルも一緒に帰ってきたんだな。お疲れ様。おめでとう」


ああ、シエルがS級になった事も知られているのか。


「ああ、ありがとう」


「どうせ荷物は大してないんだろう?こっちから通っていいぞ」


荷物チェックがないからいつも先に通してくれるのがありがたい。


「いつもありがとう。ご苦労様です」


門を通り抜けながら私が言うと、門番は笑顔で手を振った。


「いいってことよ。お幸せにな」


ん?


今、お幸せにって言った?


まあ、聞き間違いだろう。


「ただいま〜」


久しぶりの我が家に着くと、忙しい両親も大好きな弟のニックもジェイコブもニーナさんもリンも皆がいた。


「おかえり、ソフィア!皆も長旅ご苦労様」


「お父さんもお母さんもいたんだ!ただいま!」


母はともかく忙しく色んな場所を飛び回っている父がいるとは嬉しい。


「ニック〜、元気だった?会いたかったよ」


「はいはい、そろそろ弟離れしてくれよ」


相変わらずツンデレで可愛い。


「皆にお土産いっぱい買ってきたよ」


私がガブリエルのアイデムボックスからお土産を取り出そうとすると、母が遮った。


「お土産は楽しみだけれど、帰ったばかりなんだから、まずは汚れを落としてさっぱりしなさいな。お土産はお風呂と食事が終わってからね」


確かに、魔法で綺麗にしているとはいえ、しっかりお風呂に入りたい。


「そうだな、それからランベールの情勢や流行りについて詳しく聞こうか」


父が言った言葉に、母とニーナさんが顔を顰める。


「仕事の話は長くなるから明日ですよ。ソフィア、今日はゆっくりなさい。シエルもうちでお風呂に入って、ご飯を食べていきなさい」


「は、はい。ありがとうございます」


父もシエルは母には逆らえない。


「う、わかった。明日にしよう」


はっきり言って私も父に話したい事はたくさんあるのだが、母に言われてしまってはしょうがない。


「さあ、皆お風呂が準備できてますよ。入ってきて」


ニーナさんに促されて私達は入浴と着替えを済ませた。


「やっと帰ってきた!待ちくたびれたぞ!」


食堂に入ると、いつものようにいきなりオベリオンがいた。


「オベリオン!久しぶり!元気だった?」


私が聞くと、


「元気に決まってる。だが、ソフィアがいなくてつまらなかったぞ」


オベリオンは少し拗ねたような顔をした。


筋肉隆々のイケオジの拗ね顔はどうなんだろ?


「ランベールに行ってたからね。しょうがないよ」


「ガブリエルの転移で行けばすぐだろうに」


転移か…。


確かに便利そうではあるけれど、そこはチートを断った身としては超えては行けない壁な気がする。


「転移とか私はできないからね。時間がかかっても移動するよ」


「そっか…。転移が使えないとか大変だな」


周りがチートすぎて感覚がおかしくなってるけど、転移が使える人なんてほんの一握りだからね。


そんな憐れむような目で見ないで。


「とにかく腹減った。メシにしようぜ」


オベリオンは当たり前にウチでご飯を食べていくつもりらしい。


「同感だ、腹が減って死にそうだ」


アヴァリスが同意する。


魔人がそんな事で死ぬか!


そこに皆続々と入ってきた。


皆が席に着くと、ニーナさんと母とニックとリンでどんどん料理を運び込む。


私も手伝おうとしたが、母にソフィアはいいから座ってなさいと言われてしまった。


「それでは、ソフィア達の無事の帰還を祝って。カンパーイ」


父の掛け声と共に皆それぞれお酒を飲んだり、料理を味わったりし始めた。


私も久しぶりの我が家の味をいただこう。


「あー新鮮な野菜。おいしーい」


ランベールでは生野菜などなかったから最高だ。


それも最高級のコーラルの野菜。


こってりしたランベールの味に何度野菜サラダが食べたいと思ったことか。


「なあに、野菜にそんなに感動するなんて」


母が不思議そうにしているのでランベールの味付けの事を話した。


「そうなの?そんなに味付けが濃かったのね」


「ドライアド達が育てたコーラルの野菜の旨さはどんな料理にも負けない」


オベリオンは自信満々だが、実際その通りかも。







読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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