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81、結婚式②

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「ソフィア!シエルさんも。来てくれてありがとう」


クロエが私たちを見つけて声をかけてくれた。


「クロエ!すごく綺麗!結婚おめでとう」


クロエは結婚式で着たのとはまた違う、白のドレスを着ている。


事前に見せてもらった結婚式で着たというトレーンが長いドレスもすごく素敵だったが、今のオフショルダーのトレーンがない白ドレスもすごく素敵だ。


「ありがとう!ソフィアもそのドレス、すごく素敵。バレンシア商会のドレスはこれから流行りそうね」


そうなるとマーガレットさん喜ぶだろうな。


「そのブローチ、付けてくれているんだね」


私がプレゼントしたブローチを結婚パーティで付けてくれるなんてすごく嬉しいな。


「こんなに豪華で素敵なブローチだもん、今日絶対につけたかったの。女性達はこのブローチをどこで手に入れたかすごく気になってるみたいよ」


それは光栄な事だ。


同じものを作るのはとても難しいが。


「それじゃあ、他にも挨拶してくるわね。料理もたくさんあるから楽しんでね」


ソフィアは行く前にこっそり耳打ちした。


「奥のテーブルの料理はあっさりめの味付けにしてもらったから、ソフィアはそっちをとってね」


クロエ!


なんて気がきく奥さんなんだ。


マンセル侯爵は幸せ者だ。


シエルとさっそく料理をとりに行ったがとても美味しくいただいた。


「ふう、お腹いっぱい。デザートも美味しかった」


クロエの結婚式だと言うのにお腹いっぱいになるまで食べてしまった私は、シエルと庭に散歩に出ることにした。


「夜風が気持ちいいね」


「ああ。でも寒くなったらすぐ言えよ」


いつも優しいなシエルは。


「うん、でも今まで風邪とか引いたことないけどね」


「それでも、だ」


侯爵邸の賑やかな音楽も、庭に出れば随分と小さくなる。


「シエルとこうしてゆっくり話すのも、なんだか久しぶりだね」


「ああ、そうだな。最近はお互い忙しかったからな」


正装の効果か月明かりのせいか、なんだか今日のシエルは大人びて見える。


まるで私の知らない男性みたいだ。


「改めてS級昇格おめでとう。凄いね」


「ありがとう。ずっとS級になったらやりたいことがあって、それで頑張れたんだ」


シエルがやりたい事?


「何?シエルがやりたい事って」


S級じゃないといけないダンジョンとか?


シエルは真面目な顔つきで私を見ている。


「ソフィア。好きだ。ずっと、子供の頃から好きだ」


へ?


「私を、好き?」


「あ、もちろん恋人になりたいって意味の好きだぞ。ソフィアは勘違いしそうだからな」


シエルと恋人?


途端に自分の顔がカッと熱くなるのがわかった。


「え?えっ?ちょっと待って。恋人って、そんな急に」


考えがまとまらない。


「急じゃないぞ。ずっとそう思ってた。S級になって、ソフィアに釣り合うようになったら告白するって決めてた」


私は両手で自分の顔を覆った。


なんだか恥ずかしくてシエルが見られない。


「今すぐじゃなくていいから、前向きに考えてくれ。でももう我慢しないから。ダメでも絶対ソフィアを振り向かせてみせるから」


こんな素敵な場所でそんな素敵な事言われてもどうしていいかわからない。


でも真剣に言ってくれているのはすごく伝わってくる。


私も誠意を持って向き合わなくちゃいけないってこともわかる。


「うん、ありがとう。ちゃんと考えるから。少し時間をもらっていいかな」


シエルは月明かりの中、照れたような笑顔を見せた。


「ああ、もちろんだ。前向きに考えてくれ」


…なんかシエルがカッコよく見えるんだが。

読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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