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79、目が覚めたら②

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

私は着替えると、朝食に向かった。


伯爵家の計らいでみんなで朝食を取れるように別室に用意してくれているようで、部屋に入るとすでにアヴァリス、ガブリエル、シエルが揃っていた。


メイドさん達がいたので詳しい話は食後という事になり、ゆったりと食事を楽しんだ。


朝食が終わる頃、クロエの両親とラリーさんがやってきた。


「この度は娘を助けてくれて本当にありがとう」


「ソフィアや皆さんがいなければ、クロエは一体どうなっていたことか。本当にありがとう」


クロエの両親は涙ながらにお礼を言ってくれた。


「私にとってもクロエは大切な友人です。本当に無事で良かったです。クロエはまた意識が戻らないのですか?」


「ああ、医者が言うには疲労が強く目覚めるまで2、3日かかるかもしれないが、体には問題ないと言うことだ」


そっか…あんな目にあったんだもんね。


「クロエの顔を見に行ってもいいですか?」


私が聞くと、


「もちろんだ。クロエの様子を見に行ってくれるか」


と快く許可してくれた。


クロエの部屋に行くと、シエルとラリーさんも付いてきた。


「クロエ、ぐっすり眠っているね。顔色も悪くないし。本当に良かった」


私がクロエを見てそういうと、ラリーさんが私に頭を下げた。


「君を巻き込んでしまって本当にすまなかった。改めて、クロエを助けてくれてありがとう」


貴族が頭を下げるなんて。


「ラリーさん、頭をあげてください。別に巻き込まれたなんて思ってないですよ。それに、私、運はいいんです。絶対助けが来るんですよ」


ね、とシエルを見て言う。


「もちろん、俺たちは命をかけてもソフィアを守る」


「だから気にしないでください。誘拐も初めてじゃないですしね」


そういうと、ラリーさんは思い出したように少し笑顔になった。


「そういえばそうだったな」


私が使っている部屋に戻ると、ガブリエルとアヴァリスがすでに来ていて、私が気絶した後何があったのか教えてくれた。


「そうだったの…。やっぱり魔人だったのね。危ないクスリを広めていたモリーノ伯爵は自業自得ね」


あんなことになっても彼を憐れむ気持ちはない。


魔人なんて関わらない方がいいな決まってるのだ。


私はガッツリ関わってしまっているが。


次の日。


昼食後、くつろいでいたらクロエの意識が戻ったとメイドさんが伝えてくれた。


「ソフィア様に会いたいとおっしゃっています」


「すぐ行くわ」


クロエの部屋に入ると、クロエの両親とラリーさんがいた。


「クロエ!大丈夫?痛いところはない?」


私が聞くと、クロエは笑って言った。


「もう、目が覚めたら皆同じことを聞くんだから。大丈夫よ。どこも痛くない。ソフィアが守ってくれたおかげよ」


結婚前のクロエに怪我が無くて本当に良かった。


「それと…このネックレスを返すわね」


そうだ!女神様からもらった復活のネックレス、クロエに渡したままだった。


もしもの時の為に渡したんだけど、ガブリエルにバレたら怒りそうだな…。


「ソフィアさま…?」


気がつくと開いたドアから半分だけ体が見えた状態でガブリエルがこっちを見ていた。


「ヒッ」


怖い!


部屋に帰ってものすごく怒られました…。


「女神フォンテーヌ様がソフィア様の身を案じて贈ったものを簡単に他人に渡しては行けません!それもあんなご自身も危険な時に!」


わかってる、わかってるからこそ渡したんだよ。


「でも、また同じシュチュエーションになったらクロエにネックレスを渡すよ」


「ソフィア様!」


「だって私はクロエよりかなり丈夫だし、目の前で友達が死んじゃうなんて自分が死ぬより辛いよ」


助かる可能性があるなら全部やりたい。


「私達もそうなのですよ、ソフィア様…」


ガブリエルが悲しそうに言った。


ガブリエルと話していると、アヴァリスとシエルも部屋にやってきて、いきさつを聞いた。


「そうだぞ!オレはもうソフィアのいない日常なんて真っ平だ」


アヴァリスもその時を想像したのか、顔を青くして自分を抱きしめた。


「俺もだよ、ソフィア。ソフィアがクロエを大切に思っているのはわかる。でも俺たちには何よりソフィアが大切なんだ。もっと自分を大切にしてくれ」


私はガブリエルやアヴァリス、それにシエルが自分より先に死んでしまうことを想像する。


やばい!少し考えただけで涙が出そうだ。


「うん、わかった。ごめんね。もっと自分を大切にする」


1番の目標は全力で生きることだ。


せっかくもらったこの命、もっと大切に生きよう。


「わかってくれたら良いのです」


ガブリエルが静かに呟いた。










読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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