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77/87

77、どうやら助かるみたいです

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「待たせたな」


アヴァリスがその場所に現れると、すでに一人は生き絶えているようだったが、彼の主人は無事である。


続いてガブリエルとシエルも現れる。


「お待たせしました、ソフィア様」


「ソフィア、よく頑張ったな。もう大丈夫だ」


シエルが風のドームの中にいるソフィアに声をかけると、彼女はクロエを抱えたまま前のめりに倒れた。


ふっと風のドームが消えて倒れた2人の少女の姿が見えた。


「お前ら!俺の主人を攫っておいてただで済むと思うなよ」


アヴァリスが双子に声をかけると双子はあり得ないものを見たかのように目を見開いた。


「なんで厄災がこんなところにいるのさ!」


「この人間がご主人様って一体なんの冗談!?」


声も引き攣っている。


「オレはソフィアの従魔だからな」


アヴァリスが言うとリルは口元を歪めてわかった。


「厄災と言われるアンタを従魔にできる人間がいるわけないだろ」


ガブリエルが、口を挟む。


「それがいるのですよ。そこに」


リラがガブリエルを見て裏返った声をあげる。


「オマエ!まさか大天使の!」


「ほう、私を知っててくださるとは光栄ですね。覚悟は宜しいですか」


ガブリエルの手にはいつのまにか光の剣が握られている。


「待って、待ってよ。アンタ達の主人ってわかってたら手出ししないよ」


「そうそう、命は惜しいもんね」


双子は両手をあげて降参するポーズをとった。


だが一瞬の隙をついて、リルは異空間への入り口を開いた。


バチン!


大きな音がして異空間への入り口が破壊される。


「俺もいるって忘れてないか」


シエルが倒れている2人を背に立っている。


「シエル。2人を頼みましたよ。何があっても傷一つつかないように」


「はい、俺が絶対に守ります」


シエルは倒れている2人を包む結界を張った。


「クッソ!こうなったらやるしかないよ、リラ」


「アタシらの本気。見せてやろうよ」


リルはアヴァリスと、リラはガブリエルとそれぞれ戦い始める。


「ここが王都だとすると、流石に街を壊すのはやばいと思うよ!」


リルとリラの攻撃を受け流していた2人にシエルが声をかけた。


「そうだな」


「確かに王都を壊してはソフィア様とロイド商会に迷惑がかかりますね」


ガブリエルがアヴァリスを見た。


「そろそろ終わりにしましょうか」


「わかった、あまり壊さないように、だな」


アヴァリスがリルの前に右手を伸ばす。


「終わりだ。ダークネスロンド」


途端に闇がリルの周りにまとわりつき、体の至る所からどんどん彼を侵食していく。


「やめてくれ!助けて!リラ…」


そして紙切れが空中で燃え尽きるようにフッと存在が無になった。


「ウソ!リル!リル」


「ホーリージャッジ」


双子の片われの元へ行こうとした彼女の前に、光の弓を持つ巨大な光の天使が現れる。


「いや…やめて…」


光の天使から矢が放たれ、リラの胸に突き刺さる。


「!!」


目を見開いたリラが倒れる前にその体は光の粒になって周りにパンとはじけた。


「ソフィア様!大丈夫ですか?」


ガブリエルはソフィアの元にあわてて駆け寄る。


「はい、2人とも、気を失ってるだけのようです」


シエルが答える。


「さあ、とりあえずモントン伯爵邸にいきましょう」


「そうだな。ソフィアをベッドで休ませたい」


アヴァリスも心配そうにソフィアを覗き込んだ。


「それにしてもここはどこなんだ?」


シエルの問いにガブリエルが答えた。


「どうやら王都のスラム街のようです」


建物は完全に天井がなくなってしまっているが、周りへの被害は少なそうだ。


「どうやらここにクスリを隠していたみたいですね。そのクスリもほぼ吹っ飛んだみたいですけど」


「どうやらクスリの密売の元締めもついでに片付いたみたいですね。ギルドには後で俺から報告を入れておきます」


シエルがソフィアを抱きかかえた。


「ずるいそ、ソフィアはオレが抱っこする」


アヴァリスがシエルにくってかかるがシエルは聞こえないふりを決め込んだ。


「師匠、クロエをよろしくお願いします」


「分かりました」


ガブリエルはクロエを抱き抱えた。


「おい!無視すんな。オレがソフィアを連れて行くって言ってんだろ」


シエルはアヴァリスを一瞥するとつぶやいた。


「もう我慢しないって決めたんだよ」









読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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