表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/87

75、双子の魔人②

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「ソフィア…私のことはいいから。貴方は逃げて。狙われているのは私なんだから」


か細い声で後ろからクロエが言う。


「絶対にクロエも一緒じゃなきゃここから出ない」


「ソフィア…」


それを聞いてモリーノ伯爵がいやらしくニヤリと笑った。


「仲が良い友人同士を引き離すのはしのびない。お前もなかなかの器量だからな。まとめてわしが囲ってやろう」


はあ?ふざけんじゃない。


「はあ?ふざけんじゃないわよ」


あれ?私声に出したっけ?


「マジ何言ってんの?おっさん」


私が口に出すより先に、なぜか双子の魔人達がモリーノ伯爵にくってかかった。


「ソフィアはボクらのもんだから。お願いされたから連れて来ただけ」


「そうよ、アンタみたいなブタにくれてやるわけごないでしょ」


モリーノ伯爵は、いきなり反抗してきた魔人達に驚いて言った。


「うるさい!わしはお前らの召喚者だぞ。召喚者が自分のものにすると言ったらするんだ。命令だ!」


リルは途端に冷めた顔つきになって言った。


「何コイツ?本気で自分がボクらを召喚したつもりでいるんだ」


リラも見下すようにモリーノ伯爵を見た。


「あれっぽっちの生贄で魔人が召喚できるわけないじゃん。バカじゃないの?なんか興醒めしちゃった」


リルとリラは顔を見合わせると頷いた。


「もうオマエいらないや」


「バイバイ」


そう2人が言った途端、モリーノ伯爵の体がパンッと弾け、辺りに血が飛び散った。


「何?どうしたの?」


私が前に立っていて状況がわからないクロエに、わたしは振り向いてクロエの顔を抱き寄せた。


「クロエ!見ちゃダメ」


リルとリラが私に向かって近づいてくる。


私は風魔法を発動して、ドーム状の風の幕で自分達を覆った。


「へ〜、こんなこともできるんだ。ますます気に入ったよ」


リルの声がする。


こんなこと気休めにしかならないってわかってる。


「ガブリエル!アヴァリス!シエル!私はここよ!助けてー!」


力の限り大声で叫ぶ。


お願い!誰か!


「誰が来たってアタシ達に敵うわけないんだから、呼んだって殺されるだけよ」


リラの声もする。


いやだ!絶対に諦めない。


「早く来て!ここよ!」


クロエを抱きしめて叫ぶことしかできない自分がもどかしい。


「お待たせしました、ソフィア様」


「誰がお前らに敵うわけないって」


ああ、来てくれた…。


ずっと聞きたかった声がする。


「ソフィアもう大丈夫だ。頑張ったな」


何故かシエルの声もする…。


もういいの?もう私達助かったの?


「あとは俺たちに任せろ」


その言葉を聞いて、すでに気を失っているクロエの上に覆い被さるように私は意識を手放した…。

読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

評価ブックマークもお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ