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70、不穏の始まり

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

黒のドレスの少女は少しあどけない様子の残る美少女だ。


膝丈の黒のドレスはフリルがたっぷりで可愛らしい。


髪はふんわりと肩につかないくらいで揃えられていて、同じくふわりと重めに揃えられた前髪は一筋だけ白い。


「こんにちは。お友達同士でお買い物?いいわね」


揃えた前髪に少し隠れるように見える瞳はよく見ると少し赤い。


赤?


確かアヴァリスが黒髪で赤目は魔人の特徴って言ってたような。


「あなたは関係ないけど、アタシあなたのこと気に入っちゃった」


クロエのが私を覗き込む。


「ソフィア、知り合い?」


クロエの問いかけに声も出せずにブンブンと首を振る。


「アタシはリラ。今日はこっちの子の顔を見に来ただけなんだ。またね」


「え?私?」


クロエが問いかけるが、それを無視して少女は店から出て行った。


「ソフィア!どうしたの?顔が真っ青だよ」


クロエの声でハッと正気に戻った。


「大丈夫か!?」


店のドアが勢いよく開いて、アヴァリスとガブリエルが入って来た。


「ソフィア様!どうされました!?」


ガブリエルが私に駆け寄る。


「今店から出て行った女の子…」


ガブリエルは少し考えてから答えた。


「…私とアヴァリスはずっと店の前にいましたが、誰も入ってなければ出てもおりません」


え?


「え?ウソ?さっき黒い服の女の子が一人で来たのよ」


クロエが2人に言った。


「ソフィア、そいつの目、何色だったんだ?」


アヴァリスが私に聞いた。


「…赤」


「「…」」


店に沈黙が落ちる。


「え?どうしたの?」


クロエが訊ねる。


「とりあえず、店から出ましょうか。ご主人、お騒がせしました」


ガブリエルが店の主人に挨拶して、私達は外に出た。


「まあ、会っちまったもんはしょうがねえ。いざとなったら俺達がいるから安心しな」


アヴァリスなりに気を遣ってくれているのか。


「そうだね。会っただけだし。2人もいるし。せっかくクロエと街に来てるんだから暗い顔してられないね」


「そうそう、何とかなるって」


アヴァリスにそう言われるとそんな気がしてきた。


まだ何かあると決まったわけじゃないし、それに私は何度も危険を乗り越えて来たじゃないか。


何があっても絶対に負けない強い気持ちを持とう。


その頃…王都スラム街の一室で。


「ねえリル、聞いて聞いて!」


「なんだい?そんなに興奮して。例の子の顔は見れた?」


膝上の黒のズボンに黒のベスト姿の、少女と同じ背格好の少年が振り向いた。


黒い前髪は少女と同じように一ふさだけ白い、恐ろしく整った少女と同じ顔の少年が座っていた椅子から立ち上がった。


「その子も見れたけど、そんな事はどうでもいいの。凄いもの見つけちゃった。絶対絶対欲しい。すごく良いもの」


少女のそんなに興奮している姿は珍しい。


「へえ?リラがそんなに気にいるなんて珍しいね。ボクも気になるな」


「リルも見たら絶対気にいる。あー、また会えるのが楽しみだな。早く私達のものにしたい」


「ふふ、それは是非手に入れよう」


少年は怪しく微笑んだ。


読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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