68、モントン伯爵家②
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
私はその後、メイドさんによってお風呂に入れられてワンピースに着替えされられ、髪を巻いてハーフアップに仕上げてもらった。
薄化粧もしている。
メイドさんに全てを見られた…恥ずかしい。
「ソフィア様、とっても素敵ですよ」
いやでも今日はもうどこにも行かないんだけど。
「夕食の準備が整ったようです」
夕食食べる為に着替えてお化粧か。
貴族めんどくさいな。
ガブリエルとアヴァリスはクロエ家族との正式なディナーのテーブルにはつけないと言うことで、同じメニューを別部屋で食べると言うことだ。
「食堂にご案内いたします」
ケントさんが案内してくれ、食堂に入ると私が最後だったようだ。
「お待たせしてしまってすいません」
私がそういうと、みんなは優しく待ってないと言ってくれた。
さすがクロエの家族だ。
「ソフィア、ラリーお兄様を覚えてる?」
ああ、そうそう。
こんな顔だった。
「久しぶり。大きくなったね、ソフィア」
「お久しぶりです、ラリー様」
…、会話が続かない。
「お兄様。最近お仕事お忙しそうですわね」
「ああ、最近、王都の治安が悪くなっていてね」
治安が悪くなったのは最近なのか。
「例の薬を卸しているやつの目星はまだつかないのか?」
伯爵様がラリーさんに問いかけた。
「末端の売り子を捕まえても、元締めの事を知らない奴らばかりだ。何とか手がかりでも捕まればいいんだけど」
聞けばラリーさんは、王都の騎士団の副団長をしているらしい。
イケメンに加えて強いとか凄いな。
「もう、せっかくソフィアさんが来てくれているのに、そんな物騒な話ばかりして」
クロエのお母様が話は終わりとばかりに手を打った。
「さあ、お料理をいただきましょう。うちの料理は薄味だからお口に合うと良いんだけど」
結果。
「大変美味しかったです」
私はデザートのお皿を空にすると、食後のコーヒーをいただきながら満足そうに言った。
「お口に合って良かったわ」
クロエのお母様が微笑む。
薄味バンザイだ。
「はっきり言って我が国の料理は味が濃すぎて体に良くないのよ。だから我が家は薄味にしてるの。他の国からのお客様には薄味の方が合うんじゃないかと思って、あえていつもの味付けにしてもらったの」
その通り。
「この国に来てから味付けが濃いものが多くて…。だからすごく美味しいです」
「ふふ、良かった」
あー、クロエのお母様癒し。
「ねえ、ソフィア」
クロエが私に向き直って言った。
「明日は私と街を見に行かない?もう王都を見ていると思うけど、私もソフィアと街に行きたい」
「ええ。私はもちろん良いのだけど、クロエは結婚式前で忙しいんじゃないの?」
花嫁は色々やることがありそうだ。
「貴族の結婚式なんて周りばっかり忙しそうで、本人は意外とすることがないんだ」
「そうなの?」
「だから独身最後の思い出作りに付き合ってよ」
「ええ、もちろん。楽しみだわ」
ラリーさんが私とクロエを交互に見て言った。
「最近は物騒だから絶対に女性2人にはならないように。約束してくれ」
「わかったわ、お兄様。ウチの護衛も連れて行くわ。全く、お父様より心配症ね」
ガブリエル達もついてくるだろうし大丈夫だろう。
その頃、王都スラム。
「わかってるのか!?何が何でもあの女を連れてこい!」
貴族のような服装の小太りの男が喚き散らしている。
「はあ?何でオマエにそんな風に言われなきゃなんないの?」
イラついた目で黒い服の少年は小太りの男を見上げた。
「何コイツ?アタシらに命令してんの?」
少年と同じくらいの背丈の少女も又、黒い服を着ている。
「何を言う!?お前達を呼び出したのは私だぞ!」
小太りの男は唾を飛ばしながら2人に怒鳴り散らした。
「だから何なの?」
「コイツ馬鹿なの?自分がアタシ達を扱える器があると本気で思ってるわけ?もう面倒だし殺しちゃう?」
「ヒッ」
小太りの家族が目に見えて震え出す。
「まあ、待ちなよ。殺すのはいつでもできるから。ボクまだ全然遊んでない」
「…それもそうね。遊んでからでいいか。相変わらずアンタは頭いいわね」
「でしょ」
クックっと2人の笑い声だけが響く。
「まあ、今はまだ言うことを聞いてあげてもいいよ。僕らは退屈しているからね」
小太りの男は顔を青くして、声も出ない様子でコクコクと何度も頷いた。
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