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67、モントン伯爵家①

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「クロエ様がお待ちです。さ、どうぞ中へ。荷物は…そうですよね。鞄がありますもんね」


クロエやケントさんにも鞄持ちだと伝えてある。


豪華なドアを開けて中に入ると、クロエが待ち構えていた。


「ソフィア!久しぶり、会いたかった〜」


いきなり抱きつかれて驚いたが、私も抱き返す。


サラサラの黒髪ストレートに宝石のような紫の瞳、幸せオーラ全開の彼女は前より更に綺麗になった気がする。


「久しぶり、クロエ。よく王都についてるってわかったね」


「そりゃあ王都ですごい美形の男性2人と女性の3人で高級ホテルに泊まってるって噂を聞いたからね。もしかしてと思って、我が家の紹介の人物か確認したのよ」


クロエは私のレースで顔が隠れている帽子を取った。


「これをちゃんと被っていて良かったわ。顔を出してたらソフィアが一番噂になっていたでしょうね」


ケントさんも同意して言った。


「最近の王都は治安があまり良くないですからね。お2人がついているとはいえ、ソフィアさんの美しさは狙われやすいですからね」


やっぱり治安は良くないのか…。


「特に下町の奥のスラムでは、怪しげな薬を売っている者もいるという噂です。絶対に近づかないように」


それは気をつけなければ。


「うん、わかった。気をつけるよ」


「まあ、せっかく会えたんだから今はその話はいいじゃない。はやくこっちに来て、家族を紹介するわね」


クロエは私の手を取り、屋敷の奥へ進んでいった。


「お父様、お母様、ソフィア達が着きました」


クロエは一枚の豪華なドアを開けると私の手を引いたまま入って行った。


そこには、茶色の髪のダンディーなおじさまとクロエそっくりの黒髪の美女の姿があった。


「ソフィアだね。遠くからわざわざ来てもらって済まないね。クロエの父だ」


クロエのお父様、優しそう。


「何ですが、ノックもしないで。お行儀が悪いですよ。ソフィア。後の2人も。よくきてくれましたね。自分の家だと思ってゆっくりしてね」


私はクロエが手を離した隙に、腰を落として貴族の挨拶をした。


「伯爵様、奥様、初めまして。ロイド商会会長の娘、ソフィアと申します。この度はお招きありがとうございます」


クロエのお母様がにっこりした。


「まあ、完璧な挨拶ね。でもうちでは堅苦しいのはなしよ。あ、そうそう。クロエの兄のラリーにはあったことがあるんだったわね」


「ええ、以前お会いしたことがあります」


クロエがぐいっと前に出た。


「お兄様は今は出かけてるけど、夜には帰ってくるから夕食は一緒に取れるわ」


「そうなんですね」


クロエの兄というと確か結構年上だったっけ?


結構昔に会ったっきりでどんな顔が思い出せない…。


まあ、会えば思い出すだろう。


「ソフィアさんもお疲れでしょう。まずはお部屋にご案内して」


ベルを鳴らすと数人のメイドさんが現れた。


すごい、さすが貴族。


「お部屋にご案内いたします。どうぞ」


それぞれの部屋に案内されると、メイドさんが言った。


「それではお召し物をクローゼットに移させていただいてよろしいですか?」


「えーと、従者の魔法鞄に入っているので、移し替えは大丈夫です」


私は言ったのだが、メイドさんは譲らない。


「いえ、ソフィア様のワードローブを把握して、身の回りのお世話やお召替えのお手伝いをするようにと奥様から言いつかっております」


しばらく押し問答した後、私が根負けしてガブリエルを呼んで、私の王都用にマーガレットさんに作ってもらった洋服とドレス達を出してもらった。


「まあ、まあ。これは全てバレンシア商会で?なんて素敵なんでしょう。きっとどれもお似合いですわ。わたくし、気合が入ります」


え、私何をされちゃうの?





読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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