66、王都⑤
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
私は今のうちに色々お土産を買っておく事にした。
「まず、ニックでしょ、それとお母さん。それとジェイコブ達と、ああ、レストラン木漏れ日のみんなにも買わなくちゃ」
頭のいいニックにはやっぱり本とか。
いや、ランベールの貴族風の洋服も似合いそう。
万年筆もいいな。
迷うな、よし、全部買うか。
「ソフィア様。ニックへのお土産ばかりになってますが」
ついつい可愛い弟への想いが溢れてしまった。
「そうだな〜、お母様にはやっぱりバッグやアクセサリーかな」
みんなへのお土産も少しずつ見ていこう。
貴族街で買い物した後、下町で美味しそうなお菓子なんかも買っていく。
ガブリエルのアイテムボックスは腐らないので食べ物を入れるのに大変便利だ。
「ソフィア様、もっとこちらへ」
ウキウキして歩いていると、ガブリエルに肩を引き寄せられた。
「…なに?」
小声で訊ねると、ガブリエルは目で道の端の方にたむろしている男達を示した。
明らかに街のごろつきがこちらを見てヒソヒソ話している。
しまった、知らないうちに下町の奥の方に近づいていたらしい。
アヴァリスも私への視線を遮るように前に出てくれた。
思ったより街の治安は良くないようだ。
買い物を一通り終えて、ホテルに帰るとフロントのお姉様がガブリエルに手紙を手渡した。
「お客様、こちらお手紙をお預かりしております」
「ありがとうございます」
ガブリエルが笑顔で受け取ると、奥でキャーという楽しげな声が聞こえる。
ガブリエルは普段は女性には完全無視か冷たい視線が多いのだが、ランベールの貴族向けの場所ではサービス多めだ。
その方が色々スムーズなのだろうが、別の意味で後が大変そうだ。
アヴァリスは女性達にはいつも仏頂面だが。
私の部屋で手紙を開封した。
「どなたからの手紙ですか?」
ガブリエルが聞く。
「クロエからだったよ。何故か私達がすでにランベール王都に入った事を知ってるみたい」
私が返事するとアヴァリスが言った。
「上位貴族は情報が早いからな。俺達の風貌でピンと来たんだろ」
「それでクロエは何と?」
私は手紙を机に置くと2人に向き直った。
「王都についてるならどうしてクロエのところに来ないのかって。ホテルをチェックアウトしてすぐに屋敷に宿泊してほしいって」
「クロエらしいですね」
まあ、私もクロエに会いたいし、伯爵家にお邪魔するか。
「え?ここが伯爵邸?」
魔道車で着いたそこは、整備された広い庭園の奥にまるでお城のような建物が建っていた。
「うちもサランじゃ結構大きな方だと思っているけど、まだまだだったね…」
魔道車を降りて呆然と屋敷の前に立っていると、クロエの従者であるケントさんが迎えに来てくれた。
「皆さんようこそおいでくださいました。ソフィアさん、ガブリエルさんお久しぶりです。そちらの方がアヴァリスさんですね。初めまして、ケントと申します」
「お久しぶりです、ケントさん。お世話になります」
相変わらず元気そうだ。
読んでいただきましてありがとうございました。
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