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64、王都③

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「着替え終わったよ〜」


ガブリエルに向かって念話を送ると2人も着替えを終わっていると言っていた。


「お待たせ」


廊下に出るとすでに2人が待っていた。


2人はスーツのベストにパンツ、アヴァリスはネクタイでガブリエルは首元を開けてスカーフを中に入れている。


私は裾にフリルのたっぷりついたワインレッドのベロア素材のワンピース。


腕と胸元のところは白でこちらも首元と袖にはレースがついてとてもかわいい。


ベロアのリボンも気に入っている。


顔があまり見えないようにカクテルハットのようなレースで顔を見えにくくする帽子を被っている。


「いいじゃん,2人ともかっこいいよ」


私が褒めると満更でもないようだ。


「ちょっと動きにくいけど、まあしょうがないな」


「ありがとうございます。ソフィア様もとてもお似合いです」


ガブリエルは、いつも褒めてくれるな。


「じゃあ、街に食べに行こうか」


1階に降りると、スタッフだけでなくお客さん達も2人を見てざわついている。


受付のスタッフだけでなく、ポーターのスタッフも2人に見惚れて動きを止めたので、危うくお客さんとぶつかりそうになっていた。


私はあまり顔を上げないようにしながら2人に挟まれて歩いていく。


「どうする?魔道車使う?」


アヴァリスが聞くが使うまでもない距離だ。


「クロエによると、おすすめの店はここから近いみたいだし、街も見たいから歩いて行こう」


外に出ると、ちょうど夕暮れ時の活気ある時間だ。


ホテルの近くは高級店が多く、特に整備されている。


石畳は綺麗だし、ゴミも落ちていない。


行き交う人も小綺麗な身なりの人が多い。


「ここみたいですね。入れるか聞いてみましょう」


ガブリエルがレストランに入れるか聞きに行ったがすぐ戻ってきた。


「クロエさんの証明書を見せたら問題なく入れるそうです。やっぱり見た目も大事なのですね。できれば目立たない席をとお願いしましたので、ソフィア様も安心して食べられますよ」


「ありがとう」


さすが気配りのできる男だ。


「どうぞ、お席にご案内いたします」


店に入るとこれまたピシッと制服を着たスタッフが案内してくれる。


「こちらへどうぞ」


どこからともなくもう一人のスタッフが私の椅子を引いてくれる。


うん、行儀作法を習っておいて良かった。


父が、これからの人生で商売でどんな上客に招待されることがあるかもしれないからと小さい頃からマナーの先生をつけてもらっていたのだ。


だが心配なのはアヴァリスだ。


私が小さい時から一緒にいたガブリエルは、私と一緒に一通りマナーを教わっているが、魔人はマナーとか知らないだろう。


しまった、大丈夫かな。


「ではこちらメニューになります」


スタッフさんが私たちにメニューを渡す。


「私と彼にはこの赤ワインを。彼女はペリエで」


ガブリエルはアヴァリスとわたしに向かって聞いた。


「前菜とメインはどうしますか」


アヴァリスがスマートに答える。


「前菜はこれで。メインはこの子牛のローストで。デザートはこれ」


ほうほう、なかなか様になっている。


続いてわたしも注文した。


肉料理の味付けが濃い場合を恐れて、魚料理にしてみた。


デザートも忘れずに。


「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」


スタッフが去って行ったのでアヴァリスに声をかける。


「アヴァリスちゃんとできたんだね。えらいね」


私が言うと、アヴァリスは、


「まあな。昔から人間に化けて貴族の中にも潜り込んでたから、割と大丈夫だぞ」


そんな事やってたんだ。


昔からっていつ?


いや、聞かないでおこう。




読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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