59、ランベール王国②
皆様雪は大丈夫でしょうか?お出かけの皆様お気をつけて。自宅組の皆さん、今日は早めの投稿です。
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
「今のは闇魔法の一種ですね。なかなか使いこなせるものはおりませんが」
「へ〜、すごいんだね」
私がそう言うとアヴァリスはますます得意そうだ。
「あの吸い込まれた盗賊達はどこに行ったの?」
闇に吸い込まれて、どこかに運ばれたのか。それとも死んでしまったのか。
「知らね〜」
「え?」
魔法を使った本人も知らないとか怖い。
「そんな事考えた事なかったわ。興味もないし」
うーん、考えない方が今後のためなのか。
「そんなことより早く行こうぜ」
「う、うん」
魔人にとっては些細な事なのだ。
その後も盗賊に2度も襲われた。
治安悪すぎだろ…。
やっとのことで大きな街に着いて、まず宿を探す事にした。
「地図によると、ここはモリスという街らしいですね」
ガブリエルが魔道車の中で地図を見ながら言った。
「街道は治安が悪すぎたから、街はどうなのかな。今日は疲れたからゆっくりお風呂に入って眠りたい」
「ではそこの店でいい宿がないか聞いてみましょう」
アヴァリスに魔道車を止めるように言うと、ガブリエルは魔道車を降り、店に入って行った。
「ガブリエル遅いね」
「宿を聞くだけなのに時間かかりすぎだろ」
私とアヴァリスが痺れを切らし始めた頃、なぜかボロボロに疲れ切ったガブリエルが帰ってきた。
「遅かったね」
私が言うと、ガブリエルは深いため息をついた。
「ここは、ほとんど女性客ばかりの店で、入るなりもみくちゃにされました。ベタベタ触られるし、ほんと怖かった…」
そうだった。
最近慣れすぎて忘れてたが、ガブリエルは熱狂的な女性達のターゲットにされやすい。
ガブリエルが必死に聞いてきた話によると、この国で部屋にお風呂がある宿に泊まれるのは貴族だけらしい。
「そうなんだ…今日はお風呂に浸かれると思ったのに…残念」
「ソフィア様…」
「でも旅先であんまり贅沢は言ってられないしね。しょうがないよ」
「私が不甲斐ないばかりに申し訳ありません!」
ガブリエルは90度に頭を下げた。
「え、別にいいよ。魔法で体は洗えるし。で、宿の場所は聞いた?」
「ええ。まっすぐ行って、2つ目の角にある宿が一番おすすめらしいです」
「早く行こうぜ。腹減ったし」
アヴァリスもイケメン度合いでは負けてないのだが、近寄りがたい雰囲気があるのだろう。
遠巻きには見られているが周りを囲まれることはない。
「うん、じゃあ行こうか」
宿に着くと、私はガブリエルによってマントのフードを深く被るよう指示された。
「こんな治安の悪いところでお顔が見えては大変です」
とのことだ。
魔道車をアヴァリスの隠密スキルで隠し、宿に入った。
「こちらの宿で3部屋お願いしたい」
ガブリエルがカウンターの男性に言うと、男性は黙って鍵を3本出した。
「1部屋大銅貨3枚、朝晩の食事付きなら4枚だ」
「腹減った〜」
アヴァリスは燃費が悪いな。
「では、食事付きで3部屋頼む」
「銀貨1枚と大銅貨2枚だ」
ガブリエルが払う。
「食事は食堂で、もういつでも食べられるぞ。朝は7時から10時までだ」
「わかった。着替えたらすぐに食事に行くとするよ」
部屋に入ると、そんなに広いわけではないが、清潔なベッドに鍵もきちんとかけられる。
十分だ。
お風呂はないが、手早く魔法で汚れを落として着替えた。
「ソフィアー。用意できた?」
「うん、着替え終わったよ。食堂に行こう」
初めてのランベール王国の食事、楽しみだ。
私はウキウキしてすっかりフードを被るのを忘れていた。
「いらっしゃい、泊まりのお客さんね。料理は肉と魚が選べるよ。どっちにする?」
私より少し年上くらいのウェイトレスの女性がきいてくれた。
「おれ、肉!」
「私も肉をお願いします」
「私も」
皆肉か。
お腹空いてるもんね。
「了解、肉料理三つね。ちょっと待ってて」
ほどなく、ウェイトレスの女性が大きなステーキを3皿運んできた。
バターもついてポテトフライもたっぷりと乗っている。
「お待たせ!パンはおかわり自由よ。無くなったらおかわりを持ってくるから呼んでね」
「ありがとうございます」
肉は分厚くボリュームもたっぷりだ。
「いただきまーす」
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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