58、ランベール王国①
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
次の日、早めの時間に私達はカルトスの宿を出発した。
いよいよランベール王国との国境を越えるのだ。
魔道車で急いだおかげで、日暮ごろにはランベール王国との国境である関所が見えてきた。
「へ〜魔道車とは珍しいな」
関所の兵士が珍しそうに魔道車を覗き込む。
「えっ、めっちゃ美人…。よ、ようこそランベールへ。もしかして観光ですか?よかったら案内しますよ」
そうだった…。我が国ではガブリエルがボディガードとして有名だったから、絡んでくるヤツが少なくなっていたが、ランベールでは知られてないだろう。
私は聞こえなかったふりを決め込んだ。
「すいません、急いでいるので早くしてもらえますか?」
ガブリエルが兵士に急かした。
「あ、ああ。入国料はひとり大銅貨1枚だ」
アヴァリスはさっさとお金を払うと関所を通過した。
「マジあいつ。殺してやろうかと思った」
アヴァリスが言う。
「アヴァリス何も言わずによく耐えたね。えらいよ」
暴れ出すかとヒヤヒヤした。
「ガブリエルのやつが、念話で黙って大人しくしろってうるさいからさ。頑張って堪えた」
ガブリエルグッジョブだ。
私はガブリエルの方を見て頷いた。
「ああ言うときは言い返すと長くなるのですよ。覚えておきなさい」
「あー、マジ腹立つわ。ソフィアのことジロジロ見やがって」
「ここはランベールなんだから、気を引き締めて、トラブルに巻き込まれないようにしないといけないね」
「変な輩に目をつけられたら厄介ですね」
めんどくさいけど街では目立たないようにフードを被る事にしよう。
しかし街道を進むに連れてどんどん道が寂しくなってくる。
「この道で合っているのよね?」
「ええ、地図ではこの道が最短ルートです」
「なんか嫌な予感がする」
私がフラグを立ててしまったのか。
「あー、やっぱり出ましたか」
ガブリエルの呟きと共に、20人ほどの明らかに盗賊と言う風貌のもの達に囲まれた。
「これは魔道車じゃないか。こんな寂れた街道を走ってるなんて、襲ってくれと言ってるようなもんだぜ」
「中に女もいるみたいだぜ」
リーダーっぽい男が剣を構えて言った。
「おい、お前ら。中にいる女以外は皆殺しだ。女も魔道車も貴族に売ったら高値で売れるぞ」
やっぱりこうなるか。
「貴族に盗品が売れるとか。この国はなかなか腐った連中がいるみたいですね」
「ソフィア、こいつらは殺しちゃっていいんでしょ?」
「さすがに自分たちが殺されそうなときは正当防衛でしょ。やっておしまいなさい」
「やったぜ。すぐ終わらせるから待ってて」
「私は魔道車に結界を張っておきますね」
ガブリエルは馬車の中から結界を張った。
アヴァリスが何か呪文を唱えると黒い半透明の球体がその手のひらに浮かんでいた。
「な、何だ?」
ざわめく盗賊達目掛けて、黒い半透明の球体はどんどん膨れ上がってやがて逃げ惑う盗賊を飲み込んで行く。
「助けて!」
最後の一人を飲み込むと、球体はシューッとしぼんで小さくなってパチンと弾け消えた。
「何?今の?」
アヴァリスが得意げに言った。
「ソフィア、あんまり血とか見たくないかと思って」
「確かにそうだけど、あんな魔法初めて見たよ」
ある意味血よりグロい。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
評価ブックマークもお願いします。




