表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/87

55、旅路⑤

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

しばらく進むと、私の目にも村の入り口にかなりの数の人が集まっているのが見えた。


「あそこにいるのはシエルではないですか?」


最初は遠くてよく見えなかったが、近づくごとに冒険者達に混じってシエルの姿が見えてくる。


「あっ、本当だ。シエルだ。何かあったのかな」


私が窓から身を乗り出しシエルに向かって手を振る。


「良かった、ソフィア。無事だった」


シエルはいつもと違って戦う装備を身につけていた。


「どうしたの?何かあったの?」


私が聞くと、シエルは私達を魔道車を街道沿いに停めるよう指示した。


「いいかい?3人ともよく聞いてくれ。昨夜、この近くの魔物の森で大量の上位の魔物の死骸が発見されたとギルドに連絡が入ったんだ」


え?


「Sランクの魔物が現れた可能性もある。そこで今から森を封鎖して、数日かけて高ランク冒険者で調査を行うんだ」


あ、それってもしかして…。


「ソフィアは2人がついてれば問題ないとは思うけど、危ないから決して森に入ってはいけないよ」


なんて伝えよう…。


「あ、その魔物達やったの、俺らだわ」


アヴァリスー!


「は?」


シエルの目が点になる。


「イヤー、この前森に近道で入った時、ついつい楽しくてやりすぎちゃってさ」


「シエル、私は止めたのですよ。しかしアヴァリスが始めてしまって、仕方なく…」


「え〜結構お前もノリノリだったじゃん」


シエルは動かない。


「シエル、本当にごめん」


私はシエルの顔を覗き込み、誠心誠意謝った。


「ほんっとうに、ごめんなさい。もう森には入らないから」


ハッとシエルは復活すると、


「そ、そうか。お師匠様とアヴァリスか…。俺からギルドに報告しておく。ソフィアは心配せずに旅を続けるといい」


と少し引き攣った笑顔を返してくれた。


「じゃあ、俺、急ぐから。また!」


とシエルは人が集まっている方に走って行った。


シエルには迷惑をかけてばかりだ。


何かシエルが喜びそうな事ができればいいのだが。


私は2人に向かって言った。


「そのまま魔物を放置の許可を出した私も悪いんだけど、これからはシエルや冒険者さん達に迷惑をかけないように、無駄に魔物を狩ったりしないようにしよう」


「雑魚を倒しただけなのに。人間は厄介ですね」


「ほんと、それ!」


2人には雑魚でも普通の人には高ランクパーティで討伐に向かうレベルなのだ。


とにかく今はシエルのお言葉に甘えて先を急ぐ事にした。


お礼はまたゆっくり考えよう。


その日の夕方、魔物の森を突っ切ったおかげか、予定より随分早くカルトスに到着する事ができた。


カルトスのロイド商会は、相変わらずデパートのような立派な建物だ。


「これはこれは、ソフィア様。予定より随分とお早いお着きですね」


支店長さんが出迎えてくれる。


「うん、色々あって…。まあ、いいや。お世話になります」


色々思い出すのをやめた。


「ええ。どうぞゆっくりしていってください」


とりあえず今日は宿の美味しいご飯を食べて久しぶりのお風呂に入って、ゆっくり休みたい。


「いつでも下の食堂で夕食が食べられますのでどうぞ」


支店長の言葉にアヴァリスが喜ぶ。


「やった!メシ!」


アヴァリスは元気だね。


「そういえば私、会長にカルトスに着いたら一度戻ってくるように言われていたんでした。ちょっと顔を出してくるので、先に食堂に行っててください」


「皆んなによろしくね」


「早く帰って来ないと食べ終わっちゃうかもよ」


ガブリエルはアヴァリスを無視し、私に、


「かしこまりました」、


と言って転移していった。


「いいなあ、転移。便利そうだな」


「ソフィアも頑張ったら使えそうじゃないか?なんなら教えるけど」


少し考えた。


「やっぱりいいや。余計なチートは持たないに限るわ」


それでなくとも当初の予定からどんどんズレている。


わざわざ自分でチートを拾いに行く事もない。


「そっか…。まあ、使いたくなったらいつでも相談してくれよ」


「うん、その時はお願いするよ」


あのアヴァリスが頼もしくなったもんだ。


「じゃあとりあえず、メシに行くか」


食堂に行くと何故かガラガラに空いていた。


「あれ?営業してるよね?」


私は心配になり呟いた。



読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

評価ブックマークもお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ