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54、旅路④

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「いやー、それがですね。昨日ソフィア様が眠りについてから、結界の外にきた魔物をアヴァリスが狩り始めてしまって」


「お前だって嬉しそうに狩ってたじゃねえか」


「まあ、少しは。ソフィア様がおやすみ中ですから、旅行の日程に差し支える事もないかと思いまして」


まあ、それはそうだが。


「ソフィアを起こさないように、静かにやったぜ」


何故か得意げだ。


「あ、そうなんだ…ありがとう…」


少し棒読みになってしまったのはしょうがない。


しかしこの光景すごいな。


イヤ、流されちゃダメだろ。


実際また洋服がダメになっている。


「とりあえず、旅の間は汚れてもいい服で過ごそうか」


これ以上、マーガレットさんの作ってくれた服をダメにしたくない。


そしてとにかく早めにちゃんとした魔物の来ない普通の人が使う道に出たい。


「ま、まずは2人とも汚れをきれいにして着替えよう。そのあと朝食にしようか」


2人がそれぞれ身体を洗っている間に朝食の準備をする事にした。


朝は簡単にベーコンエッグにサラダにトーストだ。


まずサラダを準備する。


旅の途中でも新鮮な野菜が食べられるのはとても嬉しい。


それもコーラルの極上野菜だ。


サラダができるとガブリエル達がやってきた。


「ガブリエル、パンを焼いてくれる?」


「はい、ソフィア様」


なんと私とイーツ君はトースターも開発した。


こちらのパンは食パンよりもクロワッサンやバターロールのようなものが多いので扉を開けて焼くタイプだ。


ちょっとした料理にも使えるので便利だ。


「ねえ、俺は?」


「アヴァリスはサラダを運んで」


「わかった」


サラダのドレッシングはあらかじめ沢山作っておいた。


フライパンにベーコンを入れるとジューっといい音がする。


少しカリッとしてきたら卵を焼いていこう。


卵に少し塩コショウをして出来上がりだ。


朝食を食べながら周りを改めて見渡すと、なかなかにおどろおどろしい光景が広がっている。


が、昨日に引き続きなので結構慣れてきた。


大量の魔物の死骸が結界の外とはいえ周りにある中で、簡易的なテーブルセットで優雅に朝食を食べている私達は誰かに見られたらとんでもない異様な光景だろう。


「で、どうするの?これ」


「とりあえず、魔石持ちは抜き取りました。あとは放っておけば他の魔物の餌になるでしょう」


ガブリエルがそう言うけど本当に大丈夫なのかな。


「いいじゃん、放っておけば。こんなところ誰も来ないって」


確かにそうそう人が来る場所ではない。


「そうだね、まあ、いいか。先に進もう」


その判断を、後々後悔する事になるとは私達は誰も思わなかった…。


2日後、やっと森を抜けて街道に出た。


「やった〜。やっと普通の道に出た」


これでやっと激しい揺れから解放される。


私はお尻を押さえて喜んだ。


「お尻が痛いなら回復魔法をかけましょうか?」


ガブリエルが聞いてくる。


「うーん、それは最後の手段で」


なんかお尻を見せるの恥ずかしい。


年頃な少女なのだ。


「ところでランベール王国とはどのような所なのですか?」


ガブリエルはまだ一度も行った事がないらしい。


私もだが。


「俺は行った事あるぜ、なんか貴族が威張ってる国だろ?」


アヴァリスは色んな国に行った事があるらしい。


「クロエから聞いた話によると、ランベール王国は私達が住んでる国とは違って、王様を始めとする王族と貴族の特権階級があるらしいの」


「それ以外は平民という事ですか?」


「そう、平民は貴族に税を納めて、貴族が街を管理するみたい」


「なるほど。我が国とはだいぶ違うのですね」


そうだ、だからこの前の馬鹿息子のような一部の勘違い家族が他国でも偉そうに振る舞うのだ。


「だから2人とも、腹の立つ事もあるだろうけど、私やクロエのためにもランベールでは大人しくしててね」


しっかり釘を刺しておかなきゃ。


「わかってるって、わざわざ騒ぎを起こすほど馬鹿じゃねえよ」


「もちろんです」


なんか素直なのが逆に心配だ。


そんな話をしつつ穏やかにカルトスに向かって進んでいる時だった。


「なんかあそこの村の前に人が集まってるぞ」


遠目が聞くアヴァリスが先の方を指差して言った。



読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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