53、旅路③
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
「2人とも、ご飯できたよ」
私が2人を呼ぶと、テントの中を整えていた2人がやってきた。
「いい匂いですね、今日のメニューは何ですか」
ガブリエルが聞く。
「今日は魚のバター焼きと味噌汁。炊き込みご飯だよ」
私が言うと、アヴァリスは少し不満げな顔をした。
「魚かぁ。もっとガッツリ肉がよかったな」
「アヴァリス、せっかくソフィア様が作ってくださったのに、我儘はいけません」
ガブリエルが諌めた。
「まぁまぁ、たまには魚料理も食べてみてよ。ご飯は炊き込みご飯がたっぷりあるから、お腹はいっぱいになると思うよ」
私は土鍋の蓋をパカリと開けた。
キノコの炊き込みご飯のいい香りが広がる。
「へえ、うまそうじゃん。さっそく食おうぜ」
「うん、温かいうちにいただこう」
私は炊き込みご飯を2人によそって、手渡した。
「うんまい!この茶色いメシ、マジ美味い」
「さすがソフィア様!この魚もすごく美味しいです」
魚料理も気に入ってくれたようだ。
「そう?気に入ってくれて良かった」
たまには和食もいいな。
こんな時は日本を思い出す。
ああ、ラーメン食べたい。
なかなかラーメンは再現できないんだよな。
「ああ、食った食った。魚も美味いんだな。知らなかったぜ」
結構沢山炊いた炊き込みご飯もすっかり空だ。
余ったらおにぎりにしようと多めに炊いたが、すごい食欲だ。
魔人や天使は太らないのだろうか。
羨ましい。
ガブリエルと洗い物をして、食器を片付ける。
「ソフィアの寝床、準備できたぜ」
アヴァリスはテントの中をセッティングしてくれている。
今回、テントは2つ。
もちろん私で1つ、後の2人で1つだ。
2人とも私と同じテントで寝たがったが、そこは年頃の女の子として譲れない。
「じゃあ2人ともおやすみ」
「おやすみなさいませ、ソフィア様」
「おう、絶対何も近寄らせねえから、安心して眠れ」
アヴァリスが言うと、ガブリエルは、
「私の結界があるんですから大丈夫に決まっているでしょう」
と付け加えた。
「あー、いちいちうるせえ天使だな」
そうは言い合ってるが、2人とも旅に出る前より距離が近づいている気がする。
もっと仲良くなってくれるといいな。
私のテントを開けると、そこにはベッドにナイトテーブル、ティーセットまである。
私は服を脱ぐと、風と水、火の複合魔法で身体に温水をまとわせて、簡易的に身体を洗った。
こう言う時は、4属性持ちでよかったなと思う。
ナイトウェアに着替えて、寝る前のカモミールティーを飲み、ベッドに潜り込む。
なんて快適な野営なんだ。
次の日、清々しい気持ちで目を覚まして、着替えを終えてテントの外に出た。
するとそこには、血や色んな汚れでドロドロの2人が清々しい顔で朝のコーヒーを飲んでいた。
「おはようございます、ソフィア様」
「おはよう、ソフィア。早いな」
異様な2人の様子に周りを見渡すと、結界の外には無数の魔物の死骸が転がっていた。
「え?どう言う状況?」
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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