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51、旅路①

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

例の小道を曲がって、しばらくは順調にだったのだ…。


たまにゴブリンやコバルト数体が出ても、アヴァリスが鋭い爪を出し、軽く腕を振るだけで魔道車から降りずとも倒す事ができた。


「何だ。もっと楽しめるかと思ったが、雑魚ばっかだな」


アヴァリスが不満を漏らすほどだ。


「大したことない方が早く着いていいじゃない」


私が言うと、


「まあ、そうなんだけどさ。久しぶりに暴れられるかと思ったから、なんかガッカリだ」


「アヴァリス。遊びで来ているのではないんですよ。ソフィア様の護衛としてきているんですよ」


おっ、ガブリエルがまともなこと言ってる。


アヴァリスの前だと先輩としてのイメージを保とうと頑張っている。


「シエルはいつもこんな雑魚と戦っているのか」


「そんなわけないでしょう。私の弟子を馬鹿にするのですか。奥に行けばもっと強い魔物がウジャウジャいますよ」


ガブリエル…それ言ったらヤバいんじゃ…。


「ならさっさと奥に行こうぜ。ちょっと飛ばすからしっかり捕まってろよ」


「え?ちょ、アヴァリス!」


止めるまもなく、魔道車は全速力で進んでいく。


ガタガタガタガタ。


整備していない道路では、最新の魔道車も揺れが凄すぎて何か言おうもんなら舌を噛みそうだ。


私はひたすらガブリエルに捕まって耐えているが、ガブリエルは全然平気そうで、ちょっと嬉しそうだ。


「よし、この辺りか」


キッという音がしてやっと魔道車が止まった。


「ちょっと!アヴァリス!こんな道でそんなにスピード出さないで!揺れがひどすぎるよ」


何か酔った気がする、


「ウッ、酔った…吐きそう…」


私はヨロヨロと魔道車を降りた。


「大丈夫ですか?ソフィア様」


ガブリエルが続いて降りる。


「その岩に、お座りください。今冷たい水でも出しますね」


ガブリエルが労ってくれる。


「うん、お願い」


私は道の脇にある岩に座り深呼吸する。


うん、少しマシになってきた。


アイテムボックスからグラスを出していたガブリエルが、またグラスをしまった。


「ガブリエル?」


「ソフィア様。すぐ魔導車にお戻りください。私がいいと言うまで決して魔道車から出ないでください、防御魔法をかけておきますので」


えっ?本当に何か来たの?


「いいね、いいね。いっぱい来たね」


アヴァリスは目に見えてワクワクしている。


私は全速力で魔道車に乗り込みドアを閉めた。


魔道車の窓から外を見ると、オークの群れに加えて、グリフォンらしき物が群れて飛んでくるのが見えた。


「え?あれグリフォン?ヤバい数なんだけど」


さすがの2人でも数が多すぎる。


「行くぜえー!雑魚はお前にくれてやるわ」


アヴァリスがシャキンと爪を出し、上空に飛び上がった。


「待ちなさい!グリフォンの死骸は換金できるので、形は残してください!」


ガブリエルが上空のアヴァリスに向かって叫ぶ。


「オーケー、形は残す」


一番先頭で飛んできたグリフォンに鋭い爪を振り下ろすとグリフォンは首と体に分かれて落ちた。


ドスン!


「ひえええ」


魔道車の近くに落ちてきたグリフォンに私は恐怖で顔を引き攣らせた。


「ソフィア様に当たらないように落としてくださいよ!」


「分かった」


ガブリエルはいつの間にか握っている光の剣でオーク達を狩り始めた。


ブシャッ!


「うわわっ!」


魔道車の窓ガラスにオークの血飛沫がかかる。


「ガブリエルの方がやってんじゃん」


アヴァリスが笑いながらグリフォンを追いかける。


「うるさいです。申し訳ございません、ソフィア様」


何でもいいから早く終わらせてくれ…。


その後も楽しそうなアヴァリスの笑い声と、ザシュッというような魔物に斬りかかっている音、何か重い物が落ちる音が辺りに響き、何か独特の血の匂いが立ち込めた。


しばらくすると、音が止んだ…。


「終わった…の?」


外の様子を伺おうとも魔道車の窓ガラスは血飛沫がたくさんついてよく見えない。


「ソフィア様、お待たせしました」


ガチャリと魔道車のドアが開いて、得意そうな満面の笑みを浮かべた2人が立っていた。


「ソフィア様!こんなに魔石が取れましたよ」


2人の両手には沢山の魔石が載っていた。


「オークジェネラルもいたんですよ」


嬉しそうに微笑む2人の服や髪、顔にまでべっとりと魔物の血が飛び散っていたが…。


読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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