50、出発
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
いよいよランベール王国に向けて出発する日がやってきた。
ランベール王国は隣の国で、国交があり父も母も何度も行っている国だ。
ランベールの王都は、中心よりやや我が国よりに位置する。
モルドールからは、交通の要であるアルバーンの街とランベールの貴族にも避暑地として人気のカルトスを経由して馬車で1ヶ月と言うところか。
私達はもちろん魔道車で行くので、のんびりしてもその半分2週間といったところだろうか。
私はせっかくの初の異国ということもあって、張り切って観光するために、結婚パーティー1ヶ月前にランベール入りすることにした。
クロエは結婚前で色々忙しいだろうが、商人の娘としてランベール王都の流行りや特産品などをしっかりリサーチするつもりだ。
「ソフィア様、ご準備はよろしいですか」
「うん、ガブリエルに色々入れてもらってるから別に何も持って行くものないよね」
私は呑気に返事をした。
「ちゃんとドレス持ったか?」
ニックはますますしっかりした子になってきたな。
「うん、ドレスもプレゼントのブローチも持ったよ」
「まあ、忘れてもガブリエルがすぐ取りに来れるけどな」
「ソフィア、体に気をつけてね。途中で誘拐されないように」
「そうだぞ、怪しい人にはついて行かないように」
両親が心配するのも無理はない。
私は子供の頃何度も誘拐されたのだ。
その度、運良く助けられたが。
「もう、ガブリエルもアヴァリスもいるから大丈夫だって」
「そうだと、いいんだけど…」
ニック!謎のフラグ立てるのやめて。
「おーい、もう出発できるのか?」
アヴァリスが痺れを切らして魔道車から声をかけてきた。
「はーい、今行く」
私はアヴァリスに返事を返すと、家族に向き直った。
「それじゃあ、行ってくるね」
そして今は、アルバーンに向かう魔道車の中…。
私は早くもアヴァリスを連れてきた事を後悔し始めた。
それというのも30分ほど前、アヴァリスが私とガブリエルに御者席から声をかけてきた事から始まった。
「なあ、この道を道なりに進むとアルバーンってのは分かってるんだけど、あっちの細い道を行けば近道なんじゃね?」
「確かにそうなんだけど、あっちは冒険者達が魔物を狩りに行くくらい危険な道だから、普通の人は通らないんだよ」
私が言う。
「魔物くらい俺らがいたら通行の邪魔にもならないぜ。近道しようぜ」
確かに2人はS級冒険者に引けを取らない、下手したらそれ以上の強さだ。
「うーん…確かに2人がいれば危険な魔物がいても大丈夫かな?」
「ソフィア様は絶対にお守りします」
ガブリエルもやる気だ。
「そうと決まれば、近道、近道!」
アヴァリスは楽しそうにハンドルを細い道の方角にきった。
現在…。
「ヒャッハー!コレは殺りがいあるぜ!」
ブシャー!
「無駄口叩いてないで早く殺りなさい」
ザクッ!
「どっちが多く殺れるか競争するか?」
「はあ?私かあなたに負けるわけがないでしょう?」
バシャン!と大きな音がして、私の乗っている魔道車の窓ガラスが一面魔物の血に覆われる。
「ヒッ!」
何でこんなことに。
読んでいただきましてありがとうございました。
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