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33、報告

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「あのままぐっすり寝てしまった…」


昨日は疲れて夜明け前に帰った。


とりあえず家族が起きるまで仮眠を取ろうと、ベッドに横になったのは覚えているんだが、どう見ても寝過ごしたようだ。


アヴァリスのことをガブリエルに託してベッドに入ってしまったが、今一体どうなってるんだろう。


「おはよう…」


私は身支度を整えて、食堂のドアを開けた。


「おはよう、ソフィア。もう昼だぞ」


父が珍しく昼間に家にいる。


「あの、お父さん。話があるんだけど。家族皆集まってもらえるかな」


「ん?いいけど?おーい、マリナ、ニック!」


父は大声で母と弟を呼んだ。


「はーい!今行くわ」


母が料理の乗ったワゴンを押しながら入ってきた。


「ソフィア、起きたの?今起こしに行こうと思ってたのよ。もう昼食よ」


そうして続いてワゴンを押して入ってきたのはガブリエル、その後にニック、大皿を両手に持ったアヴァリス…。


「アヴァリス!」


「おう、おはようソフィア!ってもう昼か。昼はなんて言うんだ?」


アヴァリスが言うとニックが答えた。


「昼でも起きた時なら、おはようでもいいんじゃない?」


「そうか!ニックは物知りだな。おはよう、ソフィア!よく眠れたか?」


いやいやいや…。


昨日散々どうやって会わせようかと考えていたけど、なんかすでに馴染んでる。


しかし言わなければ!


先送りにしてもしょうがない。


「皆聞いて!アヴァリスは人間に見えるけど、実は私と従魔契約した魔人なの!」


「うん、聞いたぞ」


「ソフィアが寝ている間にガブさんに紹介されたわ」


「とっくに聞いてるけど」


え?魔人だよ、マジン。


普通もっと驚くでしょ、魔人と知ってて和気あいあいとお昼ご飯一緒に運んだりしてたの?


「知っててその対応!」


思わずツッコんでしまった。


「だってねえ…ソフィアだし」


「そうだな、ソフィアだし」


「もう慣れたよ」


うちの家族の順応力がすごい。


ジェイコブとニーナさんにも挨拶を済ませて、みんなでお昼を食べてまったりしてしまったが、もう一つの報告を忘れてはいけない。


「よし、ガブリエル、アヴァリス、神殿に行くよ」


女神様にも言っておかなければ。


ふと思ったが、アヴァリスは神殿に入れるのだろうか。


「わかんないけど、ソフィアの従魔だし大丈夫な気がする」


聞いてみたら、ふんわりとした自信のある言葉が返ってきたので、とりあえず行ってみる。


「ソフィアさん、いらっしゃい。あれ?今日は新しい方とご一緒なんですね」


すっかり顔見知りになった神官さんが中に入れてくれる。


「はーい、よろしく」


アヴァリスは軽い挨拶で入った行った。


「無事入れたね」


「まあ女神様が何とかしたのでしょう」


ガブリエルと話しながら、いつものように祈り始めると白いモヤに包まれた。


「あらあら、うちの子はまた何か拾ってきて」


最近、お母さん化が進んできた女神フォンテーヌ様が現れた。


「そんな子犬や子猫拾ったみたいに…」


私は女神様に言った、


「経緯はガブリエルから聞いたわ。まあ懐かれてしまったものはしょうがないわね」


しょうがない。


うん、便利な言葉だ。


「この人が女神様?俺初めて見たわ。なんかすごいね」


アヴァリスはどこでもマイペースだ。


「アヴァリスよ…」


急に女神様がよく響く声でアヴァリスに言った。


「ソフィアの従魔となったからには、命懸けでソフィアを守る覚悟は出来ているか?それが出来ないのであれば女神フォンテーヌの名において契約を破棄しよう」


アヴァリオンは胸を張って女神に答えた。


「もちろん覚悟は出来てきます。この命に変えましても、ソフィア様をお守りします」


アヴァリス、そんな真面目な受け答えもできるんだ。


「ならば励むが良い」


そして女神はいつもの柔らかな笑顔になった。


「この子の魂は心からソフィアに仕えているわ。これから面倒見てやって」


「はい、女神様」


私は思っていたトラブルなく女神様にも認められてホッとしていた。


「そんな顔しないの、ガブリエル」


女神の言葉に振り向くと、ガブリエルが不貞腐れていた。


「どうしたの?ガブリエル」


私が聞くと、女神が答えた。


「ガブリエルは不貞腐れているのよ。ソフィアが取られちゃうみたいに感じるのよね」


「ソフィア様をお守りするのは私だけで充分なのに」


「ガブリエル…」


そんなふうに思っていたのか…。あの場では従魔にするしか仕方なかったとはいえ、ガブリエルへの配慮が足りなかったな。


「ガブリエル…。アヴァリスが従魔になっても、私が一番最初に守ってもらう約束をしたのはガブリエルだよ。これからも頼りにしてるよ」


2人目の子を産んだ時こそ長男への愛を惜しんではいけないというではないか…産んでないけど。


「ガブリエル、いつもありがとう」


「はい!ソフィア様!」


ガブリエルは目に涙を浮かべて嬉しそうだ。


これからどうなるかわからないけど、2人には仲良くして欲しいな。



読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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そしてさらによければ愛溢れるレビューもお待ちしています。

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― 新着の感想 ―
猫も先住猫を立てないと家出します。従魔も同じですね!
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