27、魔人再び
今日からお仕事の方お疲れ様です。またほどほどに頑張っていきましょう。
すでにお仕事始まっている方、お疲れ様です。私もです。
学生さんはまだ休みかな?もう少し休めますね。
誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
その日の朝、パン屋の女将さんが店の前を掃除していると、とても美しい黒髪黒目の男が通り過ぎて行った。
「まあ、ものすごいイケメン。この街の人じゃなさそうだね。目の保養だよ」
女将さんは掃除に戻った…。
レストラン木漏れ日に出勤するリンは前から来る男に目を奪われ、通り過ぎた男を目で追った。
「何あの人?すごいカッコいいんだけど」
街の人達に注目を浴びながら男は街を探して歩く。
「人間に化けるのも慣れてきたな。なんか今日はいい日になりそうな予感がする」
ウキウキと街を歩き回ったが、お目当ての存在にはなかなか巡り会えない。
冒険者ギルドの前を通りかかった時、微かに見知った気配を感じた。
「この気配、アイツの眷族か?それにしても弱そうだな」
少し立ち止まって様子を見たが、自身には関係なく、すぐに興味は無くなった。
「今日は一日この街を探してみて、居なかったら次に行こう」
彼が探しているのは輝く魂を持つ存在。
または彼を惹きつけて離さない幼子と同格の存在だ。
それ以外は些細な事である。
日も暮れかけてきた頃、大通りの方から何か気になる気配を感じた。
「え?この気配はもしかして…。いやでもまさか。あの子は死んだはず」
そう、あの時手を離したのは自分だ。
あの高さから落ちたのを確認したのだ。
あの子は間違いなく人間の子供だった。
でもこの気配は…。
どんどん強くなる期待感を抑えられない。
「待て待て俺。同じ過ちは絶対にしないと決めたはずだ。今度は絶対に壊さない。無くしたことをまた後悔して過ごすのはごめんだ」
慎重に、慎重に。
まずは気配を消して、離れて観察しよう。
男は気配を完全に消し去り、近くの建物の屋根に素早く登った。
息を潜めて通りを見続ける。
「とりあえず、また事件がおきるかどうかだね」
少女は傍の青年に話しかけている。
「ギルドで調査するからソフィアは本当にもう何もしないで」
「はい、はい。わかってるってシエル。邪魔しちゃったの本当に悪かったと思ってるし」
「そう言う問題じゃなくて、ソフィアの安全のために言ってるんだよ」
「わかってるって。ねえ、ガブリエル…。ガブリエル?」
いた!
間違いない!
成長しているようだが、あの魂の輝きは見間違いようがない。
生きていたんだ…。
神なんてうるさいやつとしか思っていなかったが、感謝してもいいとすら思える。
「やっと…やっと見つけた。もう絶対壊さない。絶対大切にするから」
男は最高の笑顔で微笑んだ。
「今度こそ俺のものになって…」
フッと屋根から男の気配が消えた。
「ねえ、ガブリエル。どうしたの?」
屋根の方角を見ていたガブリエルがソフィアに向き直る。
「いえ、なんでもないです。行きましょう」
そう言ってソフィアを促すガブリエルの顔は酷く強張っていた。
読んでいただきましてありがとうございました。
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