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25、バンパイア③

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

「ところでシエルはなんで女装してたの?似合ってたけど」


お説教を終わらせるには話題を変えたほうがいい。


「別に好きでやってたわけじゃないよ。ギルドの依頼だよ」


シエルが言うには、ギルドから事件の調査の依頼が来たらしい。


事件を調べるには囮捜査が手っ取り早いが、女性にそんな危ない事はさせられないし、ごつい冒険者達では全く囮にならないと言う事で、シエルに女装しろと言う冒険者ギルド長からの命令が出たらしい。


「俺だってやりたくなかったけど、事件を長引かせてソフィアが危ないことをしでかすよりもマシだと思ったのに。まさかソフィアに見られるなんて…」


結局はしでかしてた。


ごめんなさい。


「それにしてもバンパイアってそんなに大したことなかったわね。ガブリエルにすぐ捕まったのはしょうがないとして、シドさんに一発で気絶させられてたし」


「オヤジはああ見えて高ランク冒険者だしな。下っ端バンパイアくらい大した敵ではないさ」


そうだ…、何か引っかかっていたと思っていたがそれだ。


「あの方って言ってた」


「なんですか?ソフィア様?」


ガブリエルが聞き返す。


「あの男、あのお方の為に血が必要って言ってた。あのお方って…誰なんだろう」


「そうだな、それはちょっと気になるな」


シエルも考え込んだ。


「他に事件の黒幕がいるってことですよね」


ガブリエルの言葉にシエルも同意した。


「明日の朝イチでギルドに行って取り調べてもらってくるよ。簡単には口を割らないかもしれないけど、何かヒントはあるかもしれない」


そうして、私とガブリエルは、翌朝ギルドに行ったシエルにウチに寄ってもらう約束を取り付け、その時取り調べての詳細を聞く事にし、家に帰った。


しかし次の日やってきたシエルは難しい顔をしていた。


昨日とらえたあの男が、拘置所で死亡していたのだ。


シエルとシドさん、冒険者ギルド長が取り調べる為に拘置所に行ったらすでに死んでいた。


どうやら毒物を摂取したらしい。


「どうして…」


「それもわからなくなった。それでギルド長が昨日の男の様子を見た全員に話を聞きたいって言うんだけど、今からギルドに来られる?」


シエルが心配そうに聞いた。


「そんな事ならもちろん私もガブリエルも協力させてもらうよ。ね、ガブリエル?」


「ええ、もちろんです。いきましょう」


私達は冒険者ギルドに向かった。


そして少しだけ時は遡る…。


夜明け前、少しずつ空が明るくなり始めた頃、モルドールの神殿にある塔のてっぺんに1人の黒い服の男が立っていた。


鉄の棒一本分のスペースの先に驚くべきバランスで立っている。


「いないだろうと思ってはいるんだけど、もしかして今度こそ会えるんじゃないかって毎回思っちゃうんだよな」


黒髪に赤い目、黒いシャツに黒のスーツ。


人間ではありえないほどの美しい顔、引き締まった体躯、長い足。


黒い翼を一瞬で消して、男は振り向いて肩越しに自身の後ろをみた。


「よし、翼も消したしこれで大丈夫」


男は塔のてっぺんから、まるで歩き出すように足を踏み出した…と急降下していきながらも男は口元に微笑みを浮かべている。


そのまま地面に直撃するかと思われたが、地面から1メートルほどのところでピタリと止まってそこからゆっくり地面に着地した。


「さあ、今日も探しに行こう。会えるといいな」










読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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