22、こっそり探します
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
早いもので、あっという間に年明けですね。
今年も誤字脱字がきっと多いiruは皆様のおかげで助かっています。
その後シエルに相談したが、シエルにも危ない事はやめなさいと言われてしまった。
こんな機会二度とないかもしれないのに。
よーし、こうなったら1人でもこっそり探してやる。
私はその夜、家の皆が寝静まった頃、こっそり部屋のバルコニーに出た。
昼間買っておいた縄ばしごをベランダの手すりにしっかりと取り付ける。
縄梯子をつけた後引っ張ってみたが大丈夫そうだ。
「うん、大丈夫そう」
厨房から一応持ってきた銀のナイフをスカートのポケットに入れて私は縄梯子を降りた。
「着地成功」
無事庭に降り立つと、ウキウキした気分で夜の街へと歩き出した…。
…しかし、現実はそう簡単ではなかった。
夜の街で声をかけてくるのは、酔っ払った冒険者ばかりだ。
「おい、そこのべっぴんさん。おれと飲み明かそうぜ」
「おねえちゃん、どこに行くつもりかな?親切な俺たちが送っていってやるよ」
うう、酒臭い。
あんまりうるさいので周りに風の膜を張って近寄れないようにした。
コイツらがうるさいせいで全然バンパイアに出会えない。
私は残念な気持ちで家に帰り、縄梯子を使って部屋に戻った。
次の日も、その次の日も私は夜中に街中を1人でうろうろした。
路地裏の方がいいのかなと思い、路地裏にも行ってみた。
しかしチンピラや酔っ払いしかいない。
さすがにもう無理かなとレストラン木漏れ日の休憩時間にテーブルで寝不足と残念さでしょんぼりしていると、リンが話しかけてきた。
「ねえソフィア、知ってる?新しい噂?」
なんだ?また新展開でもあったのか?
「新しい噂?」
私は聞き返した。
「新しい噂は、ここ最近、夜中にかぜをまとって彷徨う美しい女の霊が出るって話だよ」
え?
「なんでも近くの物や人を弾き飛ばすくらいの風量の中心にいるのに、その女は静かに歩いているんだって。なんか怖いよね」
それ、心当たりあります…。
ガブリエルの方にそっと目をやるとスゴイ驚きの形相でこちらを見ていた。
「そ、ソウナンダ〜。怖いね〜」
私は引き攣った笑顔をリンに返した。
バレてるよ。
完全にバレてる。
「ソフィア様…後でお話があります」
静かな口調が余計に怖い。
家に帰ってめちゃくちゃ怒られました。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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