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20、オープンへ

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

オープンを数日後に控えた大事な時期に、私はシエルと街に来ていた。


「ソフィア、買いたい物って何?レストランの物?」


シエルは護衛兼荷物持ちだ。


ガブリエルは開店準備をしてくれているのでシエルがついてきてくれて助かる。


「やっぱり開店となると揃えたくなるじゃない」


「何を?」


「服だよ服!ユニフォームだよ」


シエルはピンと来てないようだ。


しかし私にはこだわりがある。


皆でお揃いのユニフォームで働くなんて、意識も上がるというものだ。


「実はすでに注文してたんだ。オープンに間に合ってよかったよ」


私達は一軒の洋服屋に着いて、お店のドアを開けた。


「こんにちは〜」


「あら、ソフィアちゃん、いらっしゃい。用意できてるわよ。ちょっと取ってくるわね」


お店の店主さんが奥へと商品をとりにいってくれる。


「どんな洋服にしたんだ?」


「よくぞ聞いてくれたね」


お店のユニフォームについてのこだわりをシエルに語ろうと思った時、店の奥から店主さんが戻ってきた。


「ソフィアちゃん、お待たせ〜。さあ、確認してみて」


「はい、ありがとうございます」


私は女性ホール用と男性キッチン用のユニフォームを広げてみた。


どちらも上は深緑色のギンガムチェックのシャツで、厨房スタッフはスタンドカラー、女性は白い丸襟が付いている。


ボトムスは男性は深緑色のパンツ、女性は膝下のスカートだ。


エプロンは男性は深緑の帽子に黒のカフェエプロン。


女性用は白のウエストから下だけの丸いエプロンだ。


「うん、バッチリです。絶対皆似合う」


「せっかくだからソフィアちゃん試着してよ。オープンまでに何か不具合でもあったら困るし」


と店主さんが言うので、店の奥を借りて試着してみる事にした。


「着心地もいいし、かわいいし、最高です!」


私は店の奥から出てきて店主さんとシエルの前で止まり、勢いよくくるりと回って見せた。


「どう?」


シエルは自分の大きな両手で真っ赤になった顔を隠し、うんうんと頷いた。


「かわいいです…」



そんなにこの服かわいいと思ってくれたのかな?と首を傾げていると、店主さんが一言、


「パンツ見えそうだったよ」


と微笑ましそうな顔で言った。


え?恥ずっ!


「勢いよく回りすぎたな〜。でも見えなかったからセーフかな…」


とポリポリと頭を掻いた。


「着替えてきますっ」


と気まずくなって、私は奥の部屋にダッシュした。


「ソフィアちゃん、すっごく似合ってるよ!」


後ろから店主さんの声が聞こえた。


店に帰るとスタッフの皆とガブリエルと父が店の前に出ていた。


「どうしたの?」


私が聞くと、ソルが


「ついに看板がついたぜ」


と得意げに答えた。


レストラン、木漏れ日。


ドアの上にあるその看板には、この世界の文字でそう書いてある。


スタッフ皆で考えた店の名前だ。


心地よい木漏れ日のような、心地よい場所になりますように。


そんな願いを込めて…。


レストラン木漏れ日はオープンします。



読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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