18、最後の練習
今日は昼に短い物も投稿できればと思ってます。誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。
誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。
レミーさんもランド君もだんだん料理のスピードが上がり、ホールの2人もドリンクが上手に淹れられる。
これはそろそろお客さん役を入れて、実際の開店と同じように動いてみてもいいんじゃないか。
と、言うことで、知り合い達に食べにきてもらい店の営業をシミュレーションすることになった。
座席にはシエルとシドさん親子で1テーブル、紅蓮のみんなで1テーブル、父と母で1テーブル、ジェイコブとニーナさん、息子2人で1テーブル。
そしてカウンターにはオベリオン。
あれ?いつのまにかオベリオンの横に奥さんのティターニアさんも来ている。
妖精の女王の人外の美しさに紅蓮のみんなやスタッフ達が疑問を持たないといいけど。
「ティターニアさん、お久しぶりです」
私が挨拶すると、
「なんだがオベリオンが楽しそうに出かけたと思ったらやっぱりソフィアの所だったのね。私もいいかしら?」
「もちろんです。ゆっくりしていってください」
オベリオンはいつも食事の場には勝手に来るのだが、今回は店を作ってもらっているからしっかり呼んである。
ティターニアさんは忙しいとオベリオンから聞いていたのだが、来られるなら呼べばよかったな。
ちなみに妖精王を呼ぶ方法はその辺をフラフラ飛んでいる妖精に伝言を頼めば喜んで届けてくれる。
「それでは皆さん、いらっしゃいませ。今日は営業のシミュレーションになりますので、実際のように遠慮なくどんどん注文してください」
私は振り返るとスタッフ達に目で合図を送る。
厨房スタッフはこくりと頷き、リンとロジーは水を入れたグラスをトレイに乗せた。
リンとロジーは客のテーブルにお水を置くと、注文をとり始める。
「1番テーブル、ハンバーグ1、オムライス1お願いします」
「2番テーブルは、オムライス2カレー1、ハンバーグ1です。お願いします」
厨房の2人が慌ただしく動き始める。
ランドはハンバーグは下準備できているものをフライパンで焼いていく、焼き目がついたものからオーブンで仕上げだ。
その間にレミーさんはチキンライスを作っていく。
リンは厨房に入り、作り置きしてあるサラダを出すと、ロジーに渡した。
更にリンはカレーを盛り付け、ロジーに渡す。
レミーさんがチキンライスの上にオムレツを乗せると、リンさんに託した。
「リンさん、仕上げお願いします」
リンさんはオムライスをお客さんのテーブルに運ぶとナイフで縦に切れ目を入れる。
ぷるんと半熟の卵がチキンライスを覆うとお客さん役からおおーっと言う声が上がった。
特製ケチャップをたっぷりとかけてオムライスが完成だ。
「ハンバーグあがったよ」
ランドがロジーに声をかける。
木製の皿受けにジュージュー言うハンバーグがとても美味しそうだ。
ロジーがハンバーグを運んでいく。
「鉄板が大変お熱くなっております。お気をつけください」
うんうん、危なげなく運べている。
体力ついたねえ。
食べに来てくれた皆の食事が終わった頃、感想を聞いてみた。
「皆、今日の料理や提供時間、スタッフの対応はどうだった?率直なご意見をお願いします」
私が言うと、
「味はすっごく美味しかったぞ!」
シドさんが満足そうに言った。
「そう!ソフィアの作ったものと変わらないくらい美味い」
オベリオンもいい感触だ。
「提供も丁寧だったし、時間もそんなに遅くなかったよ」
皆いい反応だが、父だけは違った。
「味は問題ないが、提供速度は遅いな。これだけの客であの速度なら、これからどんどんお客が続いたら持たないな」
「そんな!初めてなんだからしょうがないんじゃない?」
リジーさんが庇ってくれるが、商人の目は厳しい。
「やっぱりもう1人スタッフがいるな。でも今から探すのも大変だよな」
私は頭を悩ませた。
「じゃあ、新しいやつが見つかるまで俺が手伝ってやるよ」
なんと、そう言って立ち上がったのはジェイコブの下の息子、ソルだった。
「こんな美味いもの食えるならしばらく手伝ってもいいかな」
そう言うソルに私は、
「本当にいいの?ソルはロイド商会の仕事があるんじゃないの?」
と聞いた。
「もちろんずっとここで働くわけじゃないぜ、とりあえず半年、新しいやつが見つかって、そいつが慣れるまでだ。それでもいいなら、働いてやるよ」
持つべきものは優しい幼馴染だ。
「ありがとうソル!」
私はソルに抱きついた。
別のテーブルにいたシエルが思わず立ち上がってシドさんになだめられていた。
読んでいただきましてありがとうございました。
引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。
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