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14、レストラン建築

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

オベリオン親方がレストランを建ててくれるというので、私、父、母、レミーさん、それとニックとガブリエルも加わって店の間取り、外観、内装などを話し合った。


レミーさんにはオベリオンのことはとりあえず大工の棟梁的なものと言ってある。


まずはどれくらいの規模の店にするかだ。


「あんまり座席を多くしても店を運営できなくなるわよ」


母の言う事ももっともだ。


「しかしあまり小さくしてしまうと、人気が出た時に行列で待たせてしまうことになるぞ」


父の言う事ももっともだ。


結局、4人掛けのテーブル4席、2人掛け4席、カウンター5席くらいでまとまった。


「次はキッチンだな」


オベリオンがいうと、ここでも色んな意見が出た。


「スタッフが増えてもいいように広めに作るべきだ」


「あまり広すぎると作業の効率が落ちるから手が届く広さがいいわ」


うん、主に父と母の意見の食い違いだな。


こちらも動線を考えた程よい広さにまとまった。


ニックが父と母がケンカになりそうな直前で妥協案を出してくれる。


できた弟だ。


キッチンにはもちろんレミーさんの意見も取り入れている。


メインで働くのは彼だ。


レミーさんが帰った後、さらに材料について話あったが、ドライアドさん達が木材を調達してくれると言う。


ありがたくそれを生かして木目調のレストランにすることにした。


内装と外装についてはみんなの好みが一致して良かった。


「よし、こんなもんでいいな。じゃあ明日から早速作業を始めるぜ」


張り切るオベリオンに驚いた。


「え?明日ってまだ何の準備もできてないけど?」


「俺を誰だと思っているんだ。こう見えて妖精王だぞ。まあ見てろって」


オベリオンはまた明日と言って帰って行った。


「大丈夫だろうか…」


心配する私に、ガブリエルが肩に手をポンと置いた。


「ああ見えて彼は妖精王ですよ。任せておきましょう」


「ガブリエルがそう言うなら…」


私は明日を楽しみにすることにした。


翌朝、私達は父が2年前から店の予定地として押さえていた土地に向かった。


ついてみると、すでに雑草は消え去り、木材がドライアドさん達によって運び込まれていた。


よく見ると数人のドライアドさんも作業着風の服を着て作業を始めている。


「よう!来たな」


オベリオンが昨日作った店の設計図を持って近づいてくる。


「じゃあまずは店の基礎だな。俺がやってもいいが時間がかかるから妖精達にやらせるわ」


張り切った土の妖精達が飛んできてどんどん集まってきた。


「ちょ、ちょっと!ここでそれは目立つんじゃ?」


チートな店だと噂が立っては困る。


「それでしたら周りを目眩しの魔法で覆いましょう。外には音も聞こえませんよ」


ガブリエルが気を利かせてこの土地の周りに目眩しの魔法をかけてくれた。


「もう、いいか?やるぞ」


「ええ、お願い」


私が言うと妖精達は張り切って基礎部分をあっと言う間に完成させてくれた。


「どう?ソフィア!」


「ソフィア嬉しい?」


妖精達が聞いてくるのが可愛い。


「ええ、嬉しいわ。皆、手伝ってくれてありがとう」


私が言うと、土妖精達は嬉しそうにクルクルと回った。


「ソフィア様、愛されてますね」


ガブリエルも嬉しそうに言った。


次は木材を組み立てていくようだ。


ドライアドさん達が加工してくれた木材を風の妖精達が運んで組み立ててくれる。


あっと言う間に壁や屋根が積み上がっていく。


「皆すごい!ありがとう。よかったら少し休憩してね」


私はガブリエルにおやつセットを出してもらう。


ブランケットを敷いて、バスケットをその上に置く。


昨日の夜、ドライフルーツ入りのパウンドケーキとチョコチップやオートミールなど色々な種類のクッキーを焼いていたのだ。


「おやつか。うまそうな匂いがするな」


オベリオンがドライアドさんに目配せすると、ドライアドさんはあっという間に庭に椅子とテーブルを作った。


「えっ、すごい。ありがとうございます」


ドライアドさんにお礼を言うと、


「どういたしまして。これくらい簡単なことですよ。後で店のテーブルと椅子も作りますね」


と言ってくれた。


ドライアドさん達はものすごく働き者だ。


目の前で早速パウンドケーキを食べ始めた親方は何もしてないように見える。


私が何か言いたげな目をしていたのだろう。


「俺は指示係なんだ!何もしてないわけじゃないぞ!」


と慌て出した。


怪しい。


とにかくオベリオンとガブリエルが全部食べてしまわないうちに、妖精達にも食べてほしい。


「みんなも休んでおやつを食べてね」


周りの妖精達に声をかけると集まってきた。


それぞれ自分の体より大きいクッキーに齧り付いて美味しそうに頬を緩めている。


かわいいな。


「おい、そのパウンドケーキは俺のだぞ」


「私が先に取ったので私のです」


あそこで最後のパウンドケーキを取り合ってる人外達とはえらい違いだ。


私は遠い目をして2人を見た。


「なんだ?ソフィアも欲しかったのか?」


「え?ソフィア様。言ってくだされば残しておいたのですが」


「イラナイデス…」


読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
レストラン完成後にプレオープンでレミーさんのご飯おごってあげても喜びそう。
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