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12、赤毛の弟

誤字脱字など読みにくいこともあると思いますが、よろしくお願いします。

誤字報告とても助かっています。ありがとうございます。

なかなかスタッフが集まらない中、ある日ロイド商会にお客さんが来た。


「こんにちは。会長いるかしら?」


誰かと思えば、以前支店を巡回する時に護衛をしてくれた冒険者、紅蓮の剣のリジーさんじゃないか。


紅蓮の剣のみんなには、あの後の支店巡回にも度々護衛でお世話になっている。


ニックがある程度成長してからは、巡回には父と母がいくようになったので、リジーさんとは久しぶりだ。


「リジーさん、お久しぶりです!」


リジーさんは私を見つけると嬉しそうに微笑んだ。


「ソフィアちゃん、お久しぶり。また綺麗になったわね」


相変わらずいつも可愛がってくれる優しいお姉さんだ。


「リジーさんこそ、いつもお綺麗ですよ」


私が答えると、


「ソフィアちゃんは相変わらずいい子ねえ。かわいいわ」


と昔のように頭をナデナデしてくれた。


「姉貴。この美少女誰?」


隣にいた赤毛の少年がリジーさんの肩に手を置いた。


「ああ、忘れてた。こちらの美少女はロイド商会会長の娘さんでソフィアちゃんよ」


リジーさんがそういうと、赤毛少年は少し驚いたようだ。


「それならそうと早く言えよ。初めまして。俺はリジーの弟でランドと言います。よろしくお願いします」


赤毛のランド君はペコリと頭を下げた。


見た目はやんちゃそうなのに結構礼儀正しいな。


「初めまして、ソフィアです」


私が挨拶すると、奥から父が出てきた。


「やあリジー、いらっしゃい。そちらが弟のランド君だね」


「ええ、ロイド会長。この子が弟のランドです」


すると、ランド君はリジーさんの前に出てまた頭を下げた。


「初めまして、弟のランドと言います。今日からよろしくお願いします」


父はランド君の挨拶に答えた。


「ようこそ、ランド君。私がロイド商会会長のクリストファーだ。そしてこちらが娘のソフィア。ランド君には娘がオーナーになるレストランで働いてもらおうと思う」


「はい。ロイド会長、ソフィアオーナー、今日からよろしくお願いします」


!?


話が全く見えない…。


「少しだけお待ちいただけますか?」


私はリジーさんとランド君にそう言うと、父を店の奥に引っ張って行った。


「ちょっと、お父さん!どう言う事?」


「いやー、前にリジーさんと街でばったり会った時にね…」


…父の話によると。


この前街でばったりリジーさんに会って、その横にはランド君がいた。


話をしてみると、16歳になって成人したランド君は、仕事を探しに故郷の両親の村から姉のリジーさんを頼ってこのモルドールにきたらしい。


ランド君はとても元気がいい少年だが、リジーさんのように魔力が強いわけでもなく、上のお姉さんであるファンダムのギルド支部長のカリーナさんのように剣や腕っぷしに自信があるわけでもなく、冒険者には向いてなかった。


できる事といえば、畑仕事をする両親の代わりに弟や妹達の世話をしながら家事や料理をしていたとのこと。


「それを聞いて商人の勘がピーンときたんだよね。ソフィアの店のスタッフにいいんじゃないかって」


そう言う事は先に一言相談して欲しかった。


確かにリジーさんの弟なら身元もしっかりしてるし、みるからにいい子そうだ。


年も私と同じなのが話しやすそう。


それにこんな時の父の勘は侮れないと知っている。


え、もしかしていいんじゃない?



読んでいただきましてありがとうございました。

引き続き次回もお読みいただけると嬉しいです。

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