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14 怒れるウサちゃん【挿絵有】


 十四話  怒れるウサちゃん



 「え……え?? 武器だよね?」


 

 私は混乱しながらもステッキ・メルヘンラビットの先端についているうさちゃんフェイスに話しかける。



 『どう見ても武器じゃろがい』


 「な、なんで喋ってるの!?」


 『なんじゃ、武器が喋っちゃいけんのかい!』


 「そんなことはないけど……」



 それにしてもよく言葉の回る武器だ。

 私が返答に困っていると目の前のドラゴンが私に向かってギャオンと叫ぶ。



 「ーー……! そうだった、こいつをどうにかしないといけないんだった!」


 

 私はウサちゃんとの会話を中断して構え直す。



 『おい、話終わってないじゃろがい』


 

 問題はどうやってあのドラゴンを倒すかだけど……



 『なんじゃい小娘、正論すぎて何も言えんくなったんかい』



 あえてタワッシーたちに攻撃させて、その後に村と反対方向に逃げれば……でも追いつかれるかもしれないし……



 『しかし俺の持ち主がこんな小娘だとは思ってもみんかったわい』



 「ああああ!! もう、うるさいなあああ!!!!」


 

 私はメルヘンラビットのうさちゃんフェイスに怒鳴りつける。

 さっきから私の近くでペチャクチャペチャクチャ独り言……そのせいで集中して考えることができない。



 『なんじゃい小娘、俺の声がうるさいって言うんかい』


 「私は今、このドラゴンをどうしようか考えてるの!!」


 『どうしようかってどういうことじゃい』


 「だから……倒すのは難しそうだから、どうやってこのドラゴンの気を引いて村から遠ざけて……その後どうやって私たちが生き残るか考えてるの!!」


 『そんなの簡単じゃろがい。 俺がさっさとこいつを……』

 『ギャオオオオオオン!!!』



 ウサちゃんが話している途中でドラゴンが咆哮。

 声が完全にかき消される。



 「ーー……え、なんて?」


 『だから俺がこいつを倒……』

 『ギャオオオオオオン!!!!』


 『俺がこい……』

 『ギャオオオオオオオーーーン!!』


 『こいつ……』

 『ギャオオギャオギャオーーーン!!!』



 度重なるドラゴンの遮りにうさちゃんフェイスの眉間にシワが。

 そしてついに……



 『うるさいんじゃーーい!!!』



 ウサちゃんは顔をドラゴンの方へ向き恫喝。

 しかしドラゴンは全くと言っていいほど怯んでいない。



 「こらっ!! こっち向けーー!!!」



 その間なんとかドラゴンの気をそらそうと村とは反対側の茂みに移動したエティが何度も矢を打ち込んでいく。


 ーー……やはり効いていない。

 

 ドラゴンはエティに視線を向けることなくウサちゃんに顔を近づける。



 『なんじゃい、俺の美貌に惚れたんかい』


 『ギャオオオオオオン!!!』



 ドラゴンはやはりウサちゃんの言葉を無視。 鋭い牙を剥き出しに私とウサちゃんに向けて勢いよく顔を突き出してきた。



 「うわああああああ!!!」


 「クロエええええええ!!」



 あまりの恐怖とあまりの迫力で足が動かない。

 しかしウサちゃんは違った。

 次に起きた光景に私とエティは我が目を疑う。



 『だから……うるさいと言ってるやろ……がーーーーい!!!!』



 なんと杖の先端からウサちゃんがバーンッと飛び出しドラゴンの顎めがけて強烈なアッパーをお見舞い。


挿絵(By みてみん)


 ーー……したかと思ったのだがドラゴンのその硬い皮膚によって簡単に弾かれてしまう。


 

 『ああああああーー』



 小さなウサちゃんの体が宙を舞い、ストンと地面に落下。 その後ゆっくりと立ち上がる。



 『なかなかやるじゃないかい……こうなれば……』



 ウサちゃんがイケメンな雰囲気を醸し出しながらドラゴンを見上げる。

 そしてーー……



 『こういう時は逃げるが勝ちじゃああーーい!!!』



 「「ええええええええ!?!?!?!?」」



 ウサちゃんは器用に二足歩行で茂みの奥へダッシュ。



 『グオオオオオオオオン!!!』



 ドラゴンはウサちゃんへと標的を変更。

 村とは別の方向……ウサちゃんが逃げ去った方向に体を向け、再び激しく咆哮しながら追いかけていったのだった。




 ◆◇◆◇




 驚異が去ったことにより安心した私たちはその場で座り込む。



 「ねぇクロエ、結局あのウサちゃんなんだったの?」



 エティが防壁モードを解除したタワッシーを撫でながら私に尋ねる。



 「分かんないよ私にも……」


 「今思い出したんだけどさ、ステータス画面で武器名をタップしたら詳細出るんだけど何か書いてないかな」


 「詳細? ーー……やってみるね」



 私はステータス画面を開いて【メルヘンラビット】をタップ。

 すると別の画面に切り替わったので私はエティとともにそれを覗き込む。



 ●【メルヘンラビット】突然変異で出来た謎のステッキ。 先端のウサギは動くものの戦闘能力はない。 何かあった時の囮としてどうぞ。【※】




 「え、なにこれ」


 

 私は文末の※をタップ。

 すると再び新しい画面が開きーー……



 ※なおウサギが倒された場合は復活しないのでその際は新しい武器への交換を推奨します。




 「「ーー……え?」」


 

 私とエティは同時に言葉を漏らす。



 「ーー……てことはさ、さっきので私のこの武器終わりってこと?」


 「かも……しれないね」




 「えええええええええ!?!?!?!?」




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