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12 どっちがエッチ?


 十二話  どっちがエッチ?




 『ピギャアアーー!!』

 『ピッギャアアーー!!』



 あまりにもやることがなさすぎてウトウトしていると蜂型魔獣を探しに出たタワッシーたちが戻ってくる。



 「あ、おかえり。 どう、見つけた?」


 『『ピギャアーー!!』』



 タワッシーが咥えていた何かを私の足下に置いていく。

 見てみるとそれは討伐報酬の小さな毒針がてんこ盛り。 その中には金色に光ったレアな毒針もちらほら。



 「え、レアなやつあるじゃない! みんなすごーい!!」


 『『『ピギャアアーー!!』』』



 にしてもありすぎだ。

 実際のところ武器屋のおじさんは毒針を大体20本くらいに金色の毒針は1つでもあればラッキーと言っていたのだが……。



 「行きのを合わせて毒針200本、金色の毒針が15本……」



 一体どれだけ凄いのができるのだろう。

 そしてそれよりも気になるのがタワッシーたちのステータス情報。

 今レベルどのくらいあったかなーと思いステータス画面をさっき見ていたのだがーー……



 ●タワッシー

 【レベル】20

 【数値】攻:58 防:45 魔攻:5 魔防:60

 【スキル】集団能力強化・合体・毒針


 

 そう……なんかスキルが1個増えているのだ。



 ●【毒針】打撃攻撃を受けた場合カウンターとして対象に毒針の雨を降らせる(毒属性の敵には無効)



 色々と調べていると蜂型魔獣の幼虫300体を倒した時に付与されたスキルらしい。

 もしかして蜂型魔獣の巣を見つけて襲撃したのかな。



 「ーー……まさに魔物の世界の下克上」



 その後しばらくしてエティも採取を終了。

 特にエティも行き先が決まっていなかったため一緒に村へと帰ったのだった。




 ◆◇◆◇




 「えぇ!! こんなに!?」



 武器屋にて。

 カウンターに置かれた大量の毒針を見ておじさんが驚いた顔で私を見る。



 「お、お嬢ちゃんがやったのかい!?」


 「はいっ!」


 

 正確には私の魔物のタワッシーたちだけど。



 「ーー……で、これで作ってくれるんですよね」


 「もちろんさ! それに金の毒針もこんなに……! 久しぶりに腕が鳴るぜ、1週間後取りに来てくれや!」


 「ありがとうございます!! 余った毒針はいらないので自由に使ってください!」



 こうして武器製作の依頼を終えた私は宿屋へと帰宅。

 すると食堂スペースにいたエティが私に気づいて手を振ってくる。



 「あ、クロエー! どうだった?」


 「うん、1週間後に出来るんだって。 ていうかエティ、まだ居たんだね。 てっきり用事終わらせてもうどこか出発してるもんだと思ってたよ」


 「えーなにそれ私そんなに薄情じゃないしぃー」

 

 「いや別にそんなつもりじゃあ……」


 「あ、そうだ! 私ここにしばらくの間泊まることにしたから!」



 エティが満面の笑みを私に向けながら親指を立てる。



 「えええええ!? なんで!?」


 「何でって別に今特に目的もないし、クロエの新武器も気になるし」


 「え、そんなことで滞在してくれるの?」


 

 目的がなくて、私の武器を見るためだけに?

 それってめちゃめちゃお金がもったいなくないかな。


 私が驚いて言葉を失っているとエティが私の肩をトンと叩く。



 「いいじゃん。 もう友達なんだしさ」


 

 「え?」



 いきなりの台詞に脳が止まる。



 「えっと……今、なんて?」


 「え? だから……私ら友達なんだし一緒にいても良くない?って」


 「ーー……」



 なんて嬉しい言葉なんだろう。

 友達なんて両親と暮らしていた村が壊滅してからずっといなかった。

 だからだろう……私の中の幸せゲージが勢いよく上昇していくのがわかる。



 「エティ!!」



 私は嬉しさのあまりエティに飛びつき抱きしめる。



 「ん? どうしたのクロエ」


 「ううん、こうしたいだけ!!」



 衣服越しにエティの体温が伝わってくる。

 人の体温を感じたのっていつぶりだろうか。


 完全に舞い上がった私はエティの手を引っ張り自分の泊まっている部屋へと招待。

 エティをベッドに座らせて私はその前に立つ。

 

 

 「ねぇクロエ、今日ヘルムート樹海で見つけたキノコあったでしょ?」


 「うん。 キノコといっても色々見つけたんだけど……あのレアな【自然の水筒】のやつ?」


 「そうそう! あのエッチなやつ!」


 「エッチって……まぁ見ようによってはそうかもしれないけど……どうしたの?」



 エティが首を傾げながら私に尋ねる。



 「あのキノコ増えたらエティ嬉しい?」


 「まぁそりゃあねぇ。 レアだし……あのキノコのいいところは何故かピュッピュして水を外に出さない限り、中に蓄えられてる水が腐らないところなんだよね。 だからいくらあっても困ることはないかな」


 「じゃあそのエッチなキノコ、私が増やしてあげる! ちょっと貸して!」



 私はウキウキで両手をエティへ。



 「うん、どういうことかさっぱりだけど……はいこれ」



 エティがエッチなキノコを私の手の上に乗せる。



 「よーし! じゃあ増やしちゃうね!!」



 私は気合十分で自分のスカートを勢いよく捲る。



 「え、え!? クロエ!?」



 私はそれをパンツの中へイン! からのパンツの上からパンパンパン☆



 私のパンツがモコモコと膨らんでいく。

 そしてーー……



 「はい、エティこれ」



 私はパンツからキノコを取り出しエティに渡す。



 「え……これ増えてる!?」

 

 「うん、もっと増えるよ」



 パンパンパン☆


 

 それに比例してパンツもモコモコモコ!



 「どう!? すごいでしょ! これでエティ、水に困ることないね!」



 私は膨れ上がったパンツを指差しながらエティに視線を向ける。



 「あ……うん。 すごいよ、すごいんだけど……」


 「ん?」



 なんだろう……エティの顔が少し赤い。



 「エティ、どうかした?」


 

 私はエティに近づいて顔を覗き込む。



 「ちょ……ちょっと!! 近い! 近いって!!」


 「え、そう? 友達だったらこれくらいの距離どうってことなくない?」


 「うんそうだよ、そうだけどそれどうにかして!!」



 エティが私の膨らんだパンツを指差す。



 「え、これ?」


 「そうそれ!」


 「中に入ってるのキノコだよ?」


 「知ってるよ! 知ってるけど……!」


 「じゃあなんで?」


 「言わせないでえええ!!!」



 その後私とエティの噛み合わない会話がしばらく続いたのだが……



 「じゃあ私はこれで。 クロエ、また明日。 キノコ増やしてくれてありがとう」


 

 自室に戻るエティが振り返りながら私に手を振る。

 ーー……なんかまだ顔ちょっと赤いな。



 「うん、なんかまだ顔赤いよ。 今日はゆっくり休んでね」


 「おやすみ」

 「おやすみ」



 そう言ってエティは自室へと戻っていったのだが、その去り際……



 「もう……クロエの方がエッチじゃん」



 「ーー……え?」




 なんで!?


 

 


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― 新着の感想 ―
[良い点] お友達! よかった……。 これからはこの二人の物語か。 すばらしき……。 あと自然の水筒を増やすのヤバいですねw パンツの中に入れたまま! えっち! [一言] たまっている分読みました。…
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