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悪役令嬢は可愛いものがお好き  作者: 梓弓
第一章

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カイト様と共にイール邸を出た私は、まずクロカンブッシュの土台となる小物入れを買いに、家具屋へと向かいました。

ちなみに、以前私が部屋の模様替えをする為に利用したあの家具屋さんです。


「まずは、クロカンブッシュの土台となる小物入れを買いましょう。」


「分かった。」


「ちなみに今向かっているのは以前、家族と行った事がある家具屋で、お父様と家具屋の店長さんは昔からの知り合いみたいです。」


「じゃあ、ローゼット家御用達の店なんだな。」


「そういう事になりますね。私も部屋の模様替えをした時にお世話になりました。可愛い雑貨も置いてありますし、ちょうど良い小物入れも見つかるかなと。」


「なるほど。」


私がカイト様にそんな説明をしているうちに、目的の家具屋さんへと到着しました。


「家具屋に着いたようですね。」


「そうみたいだな。」


カイト様に手を引いていただきながら馬車を降り、店内へと入ります。


前回来た時の記憶を頼りに雑貨コーナーへと向かっていると……


「いらっしゃいませ、ザイール家のご子息様。そして再びのご来店、誠にありがとうございます。ローゼット家のお嬢様。」


私達より先に店内に入ったザイール家の使用人さんが店長さんを呼んで来てくれました。


「お久しぶりです、店長さん。わざわざ来てもらってすみません。」


「いえいえとんでもない。ちなみに前回ご購入していただいた商品はお気に召しましたでしょうか?」


「はい。とっても気に入りました。」


「それは良かったです。」


私が気に入った事を伝えると、店長さんはとても嬉しそうに笑って答えてくれました。


「ところで今日はどんな物をお探しでしょうか?ご案内させていただきます。」


「ありがとうございます、店長さん。」


店長さんに案内して貰う途中、説明する事にしました。


「今回欲しいのは小物入れなのですが、カイト様のお母様に贈りたいと思っているのです。」


「イール家の奥様に、ですか?」


「はい、母に贈りたいと思ってるんです。」


「それはそれは、奥様もさぞお喜びになるでしょうね。」


「だと、良いけど……」


微笑ましそうに見ている店長さんにカイト様は少し照れながら言いました。


「ちなみに奥様は何か記念日をお迎えになるのですか?」


「いや、そういうわけではないんですが」


「?」


「実はですね……」


私達がデコ小物入れを作る事になった経緯と、カイト様のお母様にデコ小物入れを贈るという事を話すと、


「なるほど。それは素敵な贈り物になりそうですね。」


それは良い案だと、店長さんは頷いて答えます。


そして説明が終わった頃には目的の小物入れが並ぶ雑貨コーナーに着きました。


「こちらが主に雑貨を陳列している場所になります。」


「小物入れだけでもだいぶあるな。」


「迷っちゃいますね。でも、なるべく装飾は少なめの方がお菓子細工も映えますよね。」


「確かに。」


私の案に素直に頷いたカイト様は、いくつかのシンプルな小物入れを手に取り、最終的にカイト様の両手に収まる大きさの、白い陶器の小物入れを選びました。


「これはどうかな?」


「そうですね。蓋も平らですし、ちょうど良い大きさですね。その小物入れにしましょう。」


「じゃあ、これに決めるよ。」


という訳で、意外とスムーズに一番重要な土台の小物入れを購入する事が出来たのでした。



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