別れの授業 ~生徒と教師は語り合う~
ランバートは、もの凄くカサンドラから影響を受けています。
~王立学園 1年C組教室~
ランバートが教壇で何やら熱弁していた。
「と言う事で、先生とは今日でお別れだ。」
女子生徒A
「先生!質問です!」
いつもの様に生徒が質問する。
この辺りはランバートの人柄なのか、生徒に慕われていることがうかがわれる。
「なんだ? 答えられる範囲で答えてやるぞ。」
ランバートは、生徒に向かって優しく微笑む。
「先生が、めっちゃ強い事は知っているし、
カサンドラ様を大好きなのも分かった。
でも、そんな人他にもたくさんいるじゃない?
騎士団長とか? クリスティン侯爵家の方とか?
なんで先生なの?」
「ははは!」
(良いところ突いてきやがる。まさか、魔王の友達だからとは言えないよな。)
「それはな、・・・先生が勇者だからだ。」
生徒一同、呆気に取られる。
男子生徒B
「何それ、おとぎ話かよ?」
「まぁ、そうだな。
勇者なんて存在する分けないよな。
実際、俺は10年前の戦いでは肝心な時にくたばってたしな。
そう思われても仕方ない。」
女子生徒C
「心配なら私達もついて行こうか?」
「馬鹿言うな。学生はだな・・・」
ランバートが言い終わる前に生徒がかぶせて言う。
「割と真剣なんだけど・・・。」
「俺も!」
「私も! カサンドラ様の事好きだもん。」
「会った事もないだろうが!」
ランバートは頭をバリバリ掻きながら照れ臭そうに話す。
「勇者なのは本当だ。
俺自身信じられない時期もあった。
カサンドラに散々言われても・・・な。」
生徒達
「「「「「「「「「「 ! 」」」」」」」」
〈ざわざわ、カサンドラ様が言ってたなら“マジ”かもよ・・・。〉
「ただし、覚醒はして無い。」
(今ならカサンドラの気持ちが良く分かるぜ。だから、黙って行ったんだな。)
「けどな、魔王と渡り合えるのは、世界で俺だけだ。
だから、・・・・お前達は連れて行けない。」
教室内は、それまでの和やかな雰囲気が一変し、重い空気に包まれる。
生徒の一人が呟いた。
「なんだよ、先生、死ぬ気じゃん。」
「ははは、死ぬもんか!
必ず、生きてカサンドラを守ってみせるさ。」
鋭い目つきで生徒を見つめるランバート。
ランバートから固い信念の様なものが感じられる。
男子生徒D
「なぁ、だったらなんで先生になったんだよ。」
当然の疑問だ。元々ホルス家は騎士の家系だ。
ランバートも騎士を目指していた。
騎士団に入って、日々精進するのがその目的にもかなっている。
渋々ながらランバートは答える。
出来ることなら自分の胸にだけ、大切に閉まって置きたかった言葉・・・。
「カサンドラが俺にくれた最期の言葉がな、
”今度は自分の為に生きてね”だった。
・・・つまり、そう言うことだ。」
「どういう事よ?」
「それまでの俺は、強くなることが目的だった。
人の事なんて知ったこっちゃなかった。
ははは、本当、馬鹿だよな。
なんで強くなりたかったのかも考えてなかった。
だから、カサンドラに言われて気が付いたよ。
その先の事をな。」
「ふう~ん。難しいのね。」
「まぁ、言葉にすると難しいけど、俺は本当にやりたいことをやっているってだけさ。
・・・お前らに会えて良かったよ。」
「うう、泣かせんなよな。」
何となく教室内は湿っぽい雰囲気になる。
「良し!以上だ!
みんな!最後は笑って送り出してくれ!」
「「「「「「「「「「「 おー! 」」」」」」」」
「先生! 頑張れ~!」
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生徒A
「先生、行っちゃったね。」
生徒B
「なんだか寂しくなるわね。」
「まぁ、でも仕方がないんじゃない?」
「そうね。
そうそう、先生が勇者なら私達って”勇者の弟子”なんじゃない?」
「え! まじ?
それって、カッコ良くない?」
「「うふふっ」」
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ランバートが校舎を出ると、大勢の生徒が窓から手を振って見送っている。
ランバートは、とびっきりの笑顔でそれに答える。
そして、振り返り、決意を新たにするのだった。
「必ずここに帰って来る。」
読んでいただいてありがとうございます。
引き続きマイペースですがよろしくお願いします。




