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悪役令嬢は氷結の戦乙女  作者: marumarumary
第一部 氷結の戦乙女
29/34

別れ  ~決戦前~

次回、”決戦”で終わると思います。

もう少しお付き合いをお願いします。

~クリスティン家 門前~


武装したカサンドラがこっそり門から出てくる。

武装と言っても、前世での普段着に皮あてと背中の日本刀だけだ。

カサンドラは、クリスティン邸に一礼し、立ち去ろうとしている。


「待て! キャシー!」

どこからともなく現れたアレンがカサンドラを呼び止めた。


振り返るカサンドラ。

「あらアレン。久しぶりね。」


苦渋の表情が浮かぶアレン。

「行くな! キャシー!」


「・・・・。」

悲しそうに表情を崩すカサンドラ。


アレンは、一際低い声で脅す様に言う。

「死ぬぞ。」


「・・・そうね。」

目をつむり呟くように答えた。


「勇者はもういない。

 聖女は目覚めない。

 聖騎士候補はバラバラで、奥の手の魔道具も使え無い。

 もう戦うな!」

アレンは、必死に説得を試みた。


「それでも、私にはこの日本刀があるわ。」

日本刀を見せるカサンドラ。


「そんな物・・・。」

アレンは魔力を軽く放つ。


”パキーン”


破壊音が響く。 日本刀が折られたのだ。


悲しそうにカサンドラは呟く。

「駄目じゃない、物を粗末にしたら。

 これ、私の大切な人から貰った物だったのに・・・。」

 ※アレンがカサンドラの誕生日にプレゼントした物


「くっ!」


「・・・私ね。

 言うつもりは無かったのだけれど。

 アレン、貴方のこと・・・好きよ。

 ・・・、他の誰よりも。」


カサンドラの思わぬ言葉に驚くアレン。

「な! だったらなぜ?」

歩み寄ろうとするアレン。


首を振りそれを拒否するカサンドラ。


「お父様とお母様をお願いね。」

カサンドラはきびすを帰し、歩み始めた。


もう振り返ることもない。


アレンは、追いすがる様に手を伸ばしたが、やがて諦めたかのように手を降ろした。

どんな妨害も、どんな説得もカサンドラには通じなかった。

その上、自分の事を好きだと言う。

それだけに彼女の決心の強さを知った。

そして、しばらくカサンドラを見送った後、忽然と姿を消した。




~~~~~~~~~~~~~~~~~




カサンドラを待つメキド神官


「魔王とお会いしたのですか?」


「ええ、その様ね。」


「クリスティン領、辺境の地に禍々しい魔力が集結しています。

 ・・・おそらく魔王軍かと。」


「王立軍の動きは?」


「王家、軍部が編成を急いでいますが、まだ常駐軍と近衛のみで、後数日は必要でしょう。」


「そう。・・・厳しいのね。」


「それで、どうされるのですか?」


「私は、私の役目を果たすだけよ。」

ニコリと笑って答えるカサンドラ。


「では、私もお供します。」


「駄目よ、メキド様。

 貴方にはマリアをお願いするわ。

 それにね。魔王はとても嫉妬深いの。

 すぐに誤解して、違う方向へ行ってしまうのよ。」

カサンドラは、あの使い古した消しゴムを思い出していた。


「嫉妬深い・・・ですか。」

苦笑いするメキド。



「じゃあ、もう行くわ。」


カサンドラは、上位転移魔法を唱えた。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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作者のモチベーションも上がりますので、ぜひよろしくお願いします。

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