お昼寝と聖騎士候補 ~転生してもトラウマは消えない~
日常・・・束の間の平和。
お昼寝こそ最高の贅沢。
〜学園~
魔人の恐怖が去り、魔法学園は日常を取り戻していた。
かくいう私も、学園生活に戻った。
何気ない毎日。
一命をとりとめたランバートは自領へ戻って安静にしているとのこと。
マリアとメキド神官が見送ったそうだ。
昼休み庭園に出て深呼吸する。
外の空気はやはり新鮮で美味しい。
さあ、お昼ご飯でも食べよう!
良い天気で良かった。テラスで食べられるわ。
・・・私一人ね。
アレンもこの前の事を気にしているのか、最近構ってくれないし。
「ちょっと貴女! よろしくて! お話がありますの!」
(うわー久々に出たよ。この感じ、悪役令嬢?)
「これは、ローズマリー・マクラレン様、お久しぶりでございます。」
淑女の礼をとってみる。なんせ相手は4大公爵家の令嬢。
普段はほとんど顔を合わせないのに何の用だろう?
「貴女、嘘を付きましたね!」
「 ? 」
首を傾げる。
「殿下と、ジークフリート殿下と婚約なさってますわね!」
「 ! 」
(あ~、マジで忘れてた。そんな話だったわね。)
「とぼけるおつもり?」
「いえ、その、そう言うつもりでは・・・・。
そうだわ! ひょっとすると、殿下ももうお忘れになっているかも?」
「はぁ~!、そんな訳ないでしょ!」
(ですよね~。・・・失言でした。うふっ。)
「貴女!ちょっと弛んでいるのではなくて!
良いこと! 令嬢と言うのは、
・・・・(以下略)・・・ 。」
やっと解放されたわ。
どちらが悪役令嬢か分からないわね。
でも、平和って良いものね。
何だか眠たくなって来ちゃった。
ZZzzzz・・・。
~~~~~~~
私は、夢を見ていた。
前世の子供の頃の夢だ。
私は、古くなった消しゴムを胸ポケットに入れ、文房具店へ向かった。
ちょうど同じ消しゴムを見つけたので、レジにて会計をお願いした。
すると、レジのお婆さんは、200円だと言う。
あれ?かなり高いけど、、、。
不思議がっていると、そのお婆さんはギロリと私の胸ポケットを見つめていた。
あゝ、万引と思われたのだ。
お婆さんは、”ちょっと待ってなさい”と言うと何処へ行ってしまった。
待っている時間は、凄く長く感じて嫌で嫌で仕方がなかった。
そして、私は真新しい消しゴムと使いかけの消しゴムの両方を置いて店を飛び出していた。
それ以来、私はその店に行く事は無かった。
翌日は、学校に行くのも嫌だった。
警察にもビクビクしていた。
・・・人の悪意は何処にでもある。
それが例え小さな勘違いから始まったものだとしても、私のこのトラウマは消える事は無いのだろう。
~~~~~~~~
カサンドラ様、そろそろ起きる頃合いですよ。
優しげな声に私は目が覚めた。
「あ、私ったら眠ってしまってたのね?」
うっ、気が付くと目の前には、私をのぞき込むメキド神官の美しい顔が・・・。
「ふふっ、良くお眠りでしたね。よほど疲れていたのでしょうか?」
私は、顔面が真っ赤になるのを自覚しつつ。
「いえ、そういう訳では・・・ って、ここはどこでしょう?」
「あゝ、礼拝堂の控室です。普段は使いませんので誰も来ませんよ。
安心してください。」
「・・・はい。」
「起こすのは忍びなく、そのままと言う訳にもいかず、ここへお運びしたと言う次第です。
それで、どうしたんですか? お一人でテラスでお昼寝とは?」
「そうね。平和って良いな~と思ってたら・・・ついウトウトして。」
「貴女が与えてくれた時間ですね。」
「いえ、そう言うことでは・・・。」
「ありがとうございます。」
メキド神官は深々とカサンドラに頭を下げた。
「ええー! ちょっと、大げさすぎますよ!」
しかし、顔を上げたメキドは少し厳しい顔になっていた。
「申し訳ありません。
これから私は貴女に酷いことを言わなければなりません。」
「はい。 そうなんでしょうね。」
「次の聖女の儀式まで、まだ一月はかかります。
王家も、4大公爵家も、そして筆頭侯爵家であるクリスティン家もマリアさんを保護できないと言うのです。」
「・・・平民だから・・・ですね?」
「ええ。
ただ、クリスティン家だけは、カサンドラ様をお守りするので精いっぱいであると。」
「単なる言い訳だわ。貴族は皆そうね。
聖女ではないマリアは、ただ魔力の強いだけの女の子だもの。」
「・・・・・。」
黙って目だけで頷くメキド。
「分かってるわ。
それまでに魔王軍が攻めてくるのね。」
「・・・まず間違いなく。
魔人の襲撃はそれまでの時間稼ぎ、或いは攪乱でしょう。」
「そうね。そうすると、こちらも時間稼ぎが必要ということね。」
「申し訳ありません。」
「良いわよ。
私は、私の成すべきことをするだけ。
貴方は、貴方のすべきことをしているだけ。」
メキドは、哀しそうに、そして苦しそうに言うのだった。
「はい。 そうおっしゃって頂けると信じておりました。」
「一つ聞いても良いかしら?」
「何なりとどうぞ。」
「貴方、女性に興味が無いって本当なの?」
「え。 ・・・・その様な事は決してありませんが?」
メキドは心底驚いている風だ。
「Hね。
・・・ふふっ、嘘よ。
この前、ここで助けてくれたのは貴方なんでしょ?」
「あれは、・・・その下心などでは・・・。」
(ふふっ、これくらいの冗談は許されるよね?)
「では、ご機嫌用神官様。」
”チュ”とカサンドラはお茶目に投げキッスをした。
メキドは下を向いて真っ赤になってしまった。
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