対決!魔人ハー ~退場する者達~
1番のお気に入りキャラなんですが・・・作者自身もびっくりの展開です。
〜クリスティン家邸外~
クリスティン家に突如姿を現した禍々しい者
魔人ハー・ピグマン。
門の陰から現れたランバート
「おっと待ちな。
ここから先は通さないぜ、魔人さんよ。」
「ランバートか。
C組の筋肉馬鹿が・・・・。」
(本当に居やがった。)
「きさま1人か?」
「もちろん!
護衛の皆さんは大切な者を守っているぜ。
さぁ、とっととやろうか!」
ランバートは、自信満々に剣を構えた。
「馬鹿め、破邪の魔法が使え無い奴なんざ敵じゃない。」
ランバートは、無詠唱で強化魔法を使いつつ、渾身の剣は振り降ろす。
「お前に”馬鹿”呼ばわりされる謂れはねえ!」
ーーーーーー
「はあ、はあ、はあ、・・・」
肩で息を吸う魔人ハー。
中々手強わかった。
”勇者ランバート。”
傍らで横たわるランバート・・・。
もうピクリとも動かない。
覚醒していれば恐ろしい敵になっていただろう。
だが、もう済んだ。
こいつは、2度と剣を持つことは出来まい。
「俺は、役目を果たした。」
〜〜~~~〜
ランバートがやられた。
屋敷に運ばれる瀕死のランバート。
駆け付けるアレンとカサンドラ。
状況が飲み込めないカサンドラ。
けれど、目の前に瀕死の友人がいることは確かだ。
カサンドラは、ランバートの手を握り、血だらけのその顔を拭う。
自然と涙が零れていた。
「はは、何とか追い払えた様だな。
良かった、これってあんたを守れたのかな?」
そう言うと、事切れるランバート。
(魔人が来たのね。)
「バカ・・・・、貴方って本当、バカね。」
そう言うと、カサンドラはランバートを抱きしめた。
アレン
「くそー!
馬鹿野郎、やり過ぎなんだよ。
ここまでやるかよ!」
・・・しばし沈黙が続く・・・
意を決したカサンドラは、魔道具の小瓶を取り出す。
「キャシー! 何を?」
「今ならランバートの魂を呼び戻せるわ。」
「くっ。」
拳を握り締めるアレン。
カサンドラは、魔道具の小瓶を開け、蓄えていた魔力を全身に浴びる。
魔力を全身から発揮し、神々しく光り輝くカサンドラ。
・・・まるで聖女の様であり、決意を秘めた瞳は戦乙女の様である。
そして、動かなくなったランバートの傍にそっと寄り添い、抱きしめる。
「本当に良いのかキャシー? 今までの苦労が無に帰すよ。」
「良いのよそんな事は、ランバートの命には変えられないもの。」
アレンは思う。
(慈悲の女神・・・)
そう言い終わるや、カサンドラはランバートを強く強く抱きしめた。
そして、青白くなってしまったランバートの頬に顔を寄せ、口付けをする。
さっと目を背けるアレン。
すると、カサンドラが放っていた光はランバートを包みこみ、そして収束していく。
みるみるランバートの傷が癒えてゆき、青白い肌が薄く赤みを帯びていく。
「戻って来なさいランバート。
・・・今度は自分の為に生きてね。」
起き上がったカサンドラは、もう一度ランバートにキスをする。
「ありがとうランバート、・・・さようなら。」
そして、立ち上がったカサンドラは日本刀を手にした。
魔力が蘇った今のカサンドラには、封印は意味を成さなかった。
「私、行くわ!」
驚くアレン。
「まさか、仇を撃ちにか? 奴の居場所が分かるのか?」
「ふふっ。今ならね。」
そう、カサンドラは魔力探知が十八番なのだ。
”グレーター・テレポーテーション ~上位転移魔法~”
カサンドラの姿が徐々に薄くなり、そして消滅していく。
~~~~~~~~~~~
某洞窟内で腰かけている魔人ハー。
眼光するどく見据えている先に、カサンドラが転移して来る。
「来たか!
嬢ちゃん、お前なら来ると思っていたぞ。」
「・・・・」
「泣き寝入りなんてしねーよな。あんたは!」
「お前だけは絶対に許さない。」
(ふん、損な役回りだぜ、・・・だが)
「良い根性だ。
なぁ、お前、俺と来い。悪い様にはしない。
俺は、これでも魔王軍ではそこそこの地位と力を持っている。」
「聞こえていなかったのか? お前は殺す!」
カサンドラの怒りは凄まじい気迫となっている。
「おいおい、待て待て、話を聞け。
俺は、殺してはいないはずだ。
それにな、俺は群将だ。向こうでは100の魔獣を従えている。
俺が号令すれば、そいつらがお前を、お前の家も、お前の街も襲い掛かるぞ。
それでも良いのか?」
「やれば良いわ。けれど、全ての魔獣はこの手で滅ぼす。」
「くっ・・・。
それなら、いいか、良く聞け。
魔人と人間は元々同種族何だよ!」
「・・・知ってるわ。」
「何! 知っているだと!?。」
「太古の昔、魔力を持たない人間が魔力ある人間を迫害したんでしょ。」
「へへっ、それで、地獄という地の果てに追いやられたのが俺たちだ。
知っているなら話は早い。
俺たちは人間同士だ、殺しあう必要は無い。」
「けれど、お前たち魔人が力任せに人間を蹂躙してきたのも事実だ!」
「それはそうだがよ。それでも百年に1度の話だ。
俺たちは強大な魔力を得た代わりに子孫を残せない。
だからよ、ちょっとその協力してもらうだけの事よ。
向こうでは、手厚く扱っている。御姫様の様にな。
だから、お前も俺と来い。悪い様にはしない。」
「言いたいことはそれだけか?」
「ちっ。」
(さすがは魔王のお気に入りってところか・・・取り付く島もねぇ。)
カサンドラ
「魔法剣 ~フェニックス・ブレード~」
素早い動きで身構える魔人ハー。
だが、その瞬間、
”バシュー”
と身を切り裂く音がした。
まさに、”一刀両断”魔人ハーは血しぶきを上げて・・・。
「ぐはっ、・・・・なぜ殺さない。」
なんと、カサンドラが切ったのは魔人ハーの皮2cmというところだった。
「人間なんだろ、お前・・・。」
少し、カサンドラの表情が柔いでおり、それでいて悲しそうに呟いた。
「・・・・ぐぐっ。」
「私は、自ら人間と言う者は殺さない。」
カサンドラは日本刀を鞘に収め、転移魔法を詠唱する。
「甘いぜ、あんた。ガッカリだ。」
「それは、良かったわ。
貴方の顔は二度と見たくないと思っていたもの。
止血は自分でしなさい。」
そう言うと、カサンドラの姿は空に消えた。
その場で”どさっ”と倒れ込むハー。
「くそ、俺の本名も聞きやしねぇ。」
群将ザガンは、それでも何か吹っ切れた様な笑みを浮かべていた。
ザガン(・・・人間も悪くないのかもしれないな。)
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