軟禁される悪役令嬢 ~それでも私は守りたい~
アレンのターンです。
少しづつ距離を縮めていた二人ですが・・・ついに!
~クリスティン家~
私は、目が覚めると何故か自室で軟禁されていた。
最後に覚えているのは、ジーク殿下から抱きしめられた感覚だけ。
男性に抱きしめられるのって意外と心地好いものなんだ。
・・・少し前まで考えられなかったけど。
”姫抱っこ”は嫌。
だって、恥ずかし過ぎるし、何か安定しないもの。
どちらかと言うとマリアを”姫抱っこ”したいわ。
さて、困った。
軟禁状態なので、侍女もおらず、もっぱら会うのはアレンだけ。
屋敷内は、ものものしい警備体制が引かれており、声を掛けてもほとんどの者から反応はない。
何これ?ここに来て悪役令嬢扱いなのだろうか?
身支度もお風呂も一人で出来るので別に良いのだけれど・・・。
さて、数日かけてアレンから聞き出せた現状はこうだ。
儀式に現れたハー・ピグマンは魔人であり、本人になりすまし、学園に潜入していた。
ピグマン邸は、既に跡かともなく消滅しており、一族も行方不明で手掛かりはない。
奴は、私に執着しており、狙って来る可能性が高い。
しかし、厳重な警戒体制をとったから心配はいらない。
うん、一聞すじが通っている様に聞こえるが違和感がある。
守るべきは私では無く、聖女であるマリアではないだろうか?
いや、王家か学園で匿っているのかもしれないが・・・。
私もマリアを守りに行きたいな。
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”コンコン”
「キャシー、僕だ、入るよ。」
「アレン! 待ってたのよ。 私、外に出たいわ!」
この言葉を聞いた途端にアレンの顔が渋くなった。
「ダメだ。」
「退屈なのよ。」
「少しゆっくりしたらどうだい。」
「え〜! もう十分よ。」
「いいかキャシー、君の体はガタガタだ。
分かっているだろう?」
アレンは怒っている様な、呆れた様に続ける。
「それとも分かっていないのか?」
”ドスン!”
急にアレンに押し倒された。
(あれ? 確かに私、力が全然入らないわ。)
「俺は心配なんだ。」
アレンが心配そうに見つめている。
なぜか、瞳がキラキラしている?様な気がする。
(まずい体勢よね、これ? 今なら力負けしちゃうし。)
「ちょっと、アレン、重いわよ!」
「なぁ、キャシー、俺とどこか遠くへ行かないか?」
アレンがカサンドラの髪を撫でながら言う。
「旅行って事?だったら、・・・」
「違う、何もかも捨てて。俺と逃げよう。」
「・・・無理よそんなの。
何もかも捨てるなんて。
そう言う生き方も悪くはないと思うけど。
私達には絶対無理ね。」
カサンドラは、ちょっと遠くを見るように呟いた。
「くっ! 相手は魔人だぞ。
魔法剣を当たり前の様に使う奴等が軍団で攻めくるんだ!」
カサンドラは、上体を起こしアレンの頭を優しく胸で包み込む。
「・・・そう、勝てないのね。」
(アレンは、悟ってしまったのだと思う。)
「それでも私は、マリアを・・・出来る限りの人達を守りたいわ。」
(それが偽らざる私の気持ち、けれどアレンに無理強いは出来ない。)
気が付くとアレンは真っ赤な顔で頭から湯気が出ている。
「 ! 」
嗚呼、無意識の内に”ぱふぱふ”をしていた様ね。
最近、少し大きくなった気がしていたからどうだろう?
ほどなくして、・・・アレンから外出許可がおりた。
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