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悪役令嬢は氷結の戦乙女  作者: marumarumary
第一部 氷結の戦乙女
17/34

傲慢・我儘令嬢倒れる 

両親の思いは娘に届くのでしょうか?

届いていたとしても・・・。

私は14歳になった。

15歳になる頃、王立学園に入学することになる。

桜の舞う美しい景色の中、主人公である聖女マリアと出会う。

そして、そこからゲーム『5人の聖騎士と悲愛の魔王』が始まるのだ。

・・・・・もう私が自由に動ける時間は少ない。

入学すれば、私はほぼ聖女マリアに付きっ切りとなってしまうだろう。

彼女を聖女へと目覚めさせる。

シナリオが悪役令嬢を望むならそれをやりきるしかない。


~~~~~~


私の日課は、魔道具の小瓶に魔力を注ぎ込むことからはじまる。

前世には魔法が無かったから、魔力が枯渇しても大丈夫だと思っていた。

が、その考えはめちゃめちゃ甘かった。(体はこの世界で産まれたものだものね)


頭がフラフラして真っすぐに立っていられない。

一人で着替えも出来なくなってしまった。

着替えだけではなく髪もそうだ・・・とけない。

侍女たちに迷惑をかけてしまっている。

申し訳なく思うが仕方が無い。傲慢・我儘令嬢に逆戻りね。


事情を知っているお父様は特に何もおしゃらない。

娘を溺愛する馬鹿な父親を演じてくれているのだろう。ごめんなさい。


それでも、止めるわけにはいかない。

さあ、朝の鍛錬を始めるわ。

体が言うことを聞かないが、これってテレビやコミックの主人公が良くやってることよね?

ふふっ、こんなにしんどいものなのね。


そして朝食。

鍛錬は満足に出来ないけれど、食事だけはしっかり取らないと・・・、

吐き気をもよおすが、無理にでも胃へ流し込む。

料理長に無理を言って、流動食をお願いしようかしら。

ここでも我儘が炸裂ね。

でも、食べなければ魔力も回復しないの。


座学も講師先生にお願いして、ペースを緩くして貰っている。

今、アレンはお父様の仕事に従事しているので、別カリキュラムとなっている。

そこだけは良かった。

アレン・・・頑張って。


昼食を流し込み午後の鍛錬を始めた頃。

ふっと目の前が暗くなった。

そう、私は意識を失っていたのだ。

それでも、昨日より1時間は長く持ったのかな・・・・・。



夕方

目が覚めると、ベッドの傍らで泣く人がいる。

「お母様? どうして泣いているのですか?」

私は、まだおぼろげな意識の中で、ひょっとすると失礼な質問をしていた。


「キャシー。

 私は、貴女の性格がガラッと変わったのを分かっていました。

 それも良い方に変わったと、神の啓示ではと喜んでいました。

 けれど、今、それが間違いであったと気付きました。」


「え、どうして、・・・なのですか? お母様。」


母は、私の髪を撫でながら言う。

「もうこんな事はお止めなさい。貴女が一人で背負う必要はありません。

 国防の事はお国に、お家のことはお父様、それにアレンやみな様に任せれば良いのです。

 貴女は一人ではないのですよ。」


私は、この時はじめてお母様の気持ちを知った。

母が我が子を案ずるのはすごく自然なこと。

それなのに・・・失礼な質問までして、心がえぐられる様だった。


「キャシー。」


「お父様・・・」


「まさか、魔道具をこんな風に使うとは思わなかった。

 私のミスだ。許してほしい。

 そして、もう止めなさい。魔力は多少なりとも溜まっているはずだよ。

 お前は、充分に良くやった。」


「お父様、まだ足りないの。

 この程度では魔王の傍に近づく事も出来ないわ。」


「ま、魔王だと。魔王が復活すると言うのか。

 いやいや、まさか魔王と対峙するつもりなのか。」

 侯爵の顔には、信じられないと言う表情がありありと現れている。

 そして、母はさめざめと泣き崩れる。


「大丈夫、そんなことは決してしません。

 ただ、この魔力はきっと何かの役に立つはずです。

 聖女様や聖騎士様に持たせて差し上げれれば・・・。

 お願い。私に最後までやり遂げさせて。」


「本当だな。決して魔王と対峙する為では無いと。」


「もちろんです。私にそこまでの力はありません。」

 

「・・・・・。」


ふと、壁の方を見ると、私の日本刀が厳重に飾られてあった。

アレンの仕業ね。

アレンも私に”戦うな!”と言っているのね。



~~~~~~


数か月後


私が、魔力枯渇に慣れて来た頃、いよいよ王立学園の入学の日がやって来た。


この間、国内にちらほら魔獣が現れていたが、ケリー率いるクリスティン家の討伐隊、グレイス公爵家の護衛団がことごとく討伐に成功していた。

当然、これらが私に知らされる事は無かった。

 

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